人気ブログランキング |

【徒然なるままに・・・】

odin2099.exblog.jp

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『スター・ウォーズ/崩壊の序曲』 アラン・ディーン・フォスター

複雑な同盟に結ばれた辺境の惑星アンシオン。この星そのものは取るに足らない存在だが、もしアンシオンを共和国から脱退させることが出来れば連鎖式に多くの星々が脱退することになり、共和国を解体に追い込むことが出来る。極秘裏に進むこの陰謀を察知した元老院とジェダイ評議会は、4人のジェダイをアンシオンへと派遣した。彼らはアンシオンの脱退を阻止することが出来るのか――。

『スター・ウォーズ/エピソード2~クローンの攻撃~』のプロローグとなる作品で、公開に先駆けて出版された。著者はアラン・ディーン・フォスター・・・・・・と聞いてピンと来る人はどのくらいいるだろうか。
1作目(エピソード4『新たなる希望』)のノベライズはジョージ・ルーカス名義で刊行されたが、実際の執筆はこのアラン・ディーン・フォスターが務めており、云わば小説世界における『スター・ウォーズ』の先駆者と呼べる存在なのだ。
その功績を認められ、続編小説として依頼された『侵略の惑星』はきちんと自身の名義で発表されたが、映画としての続編『帝国の逆襲』が発表された後は不幸にして番外編扱いされてしまい、ルーカスとの間に何らかのわだかまりがあったとも推測されるのだが、こういう形で復帰が叶ったことは喜ばしい。

e0033570_1894015.jpg時代は『エピソード1』から10年後、アナキン・スカイウォーカーは、未だジェダイ・マスター、オビ=ワン・ケノービの元で修行中の身。今回は彼ら2人の他にも、小説『スター・ウォーズ/偽りの仮面』でデビューしたルミナーラ・アンドゥリとその弟子であるバリス・オフィーという二人の女性ジェダイも登場。映画公開前ということで色々制約も大きいであろうオビ=ワンとアナキンの描写を、彼女達の目を通して描くという上手い構成になっている。
また陰謀の黒幕としてドゥークー伯爵もチラっと顔を見せるが、こちらはこの作品が初登場ということになる。

『エピソード2』公開前の刊行だったので、この作品を”読んでから観れば”キャラクターがより膨らんで感じられるだろうし、逆に”観てから読めば”、劇中で刺客に狙われたパドメのボディガード役に、とパルパティーンがケノービの名前を出した際のメイス・ウィンドウの台詞、「アンシオンの国境紛争から戻ってきたところです(字幕版では「アンシオン」の名称は省略されている)」の、語られざるアンシオンでの冒険譚とは如何なるものだったのかを確かめるという楽しみ方も出来るのだ。
実際は『エピソード2』のストーリーが出来上がってからこちらの作品が構想された訳だが、それがちっとも不自然ではないのが作者の力量であり、調整を行ったルーカス・フィルム側のスタッフの努力の賜物だろう。御大ルーカス自身は、これらの作品には全くノータッチだと聞くし、フォスターのコメントによれば執筆に当たっては殆ど制約はなかったらしい。

残念なのは本作における主役とも言うべきルミナーラとバリスの二人が、『エピソード2』にも登場しているもののオビ=ワンやアナキンとの絡みもなく、ほんの数シーンにおいてその他大勢扱いされているだけなことだろう。勿論本筋に関係ないキャラクターを丹念に描写している時間的余裕はないだろうが、なかなか魅力的に描かれているだけに、ついつい特別扱いしたくなってくるのである。
by odin2099 | 2007-11-04 18:13 | | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://odin2099.exblog.jp/tb/6736963
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
ブログトップ