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『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003)

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003)_e0033570_0163827.jpgアラン・クォーターメイン(H・R・ハガード『ソロモン王の洞窟』他)、ノーチラス号のネモ船長(ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』他)、ミナ・ハーカー(ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』のヒロイン)、ロドニー・スキナー(H・G・ウェルズ『透明人間』の主人公である科学者から、透明になる薬を盗んだ泥棒という設定)、ドリアン・グレイ(オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』の主人公。本人の代りに肖像画が歳をとる)、トム・ソーヤー(マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』他)、ヘンリー・ジキルとエドワード・ハイド(R・L・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』)といった19世紀末の古典的名作の登場人物たちが一堂に会し、世界大戦を勃発させようと目論むファントムと名乗る怪人物(元ネタは勿論ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』から)に挑戦する、という聞いているだけでワクワクするような冒険物語。
原作はアラン・ムーアのグラフィック・ノベル。

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003)_e0033570_0165878.jpg原題は「ザ・リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」で、直訳すれば「超絶紳士同盟」。
映画本編では「超人紳士同盟」と称されていたようだが、「誰ひとり、ただ者じゃない。」というコピーに偽りはない。
しかも彼ら同盟を招集し、指令を与えるのがという人物なのも面白い。

Mといえば『007』シリーズでジェームズ・ボンドの上司のコード・ネームでもあり、主演のショーン・コネリー(初代ボンド役者だ)繋がりで考えればニヤリとすること請け合い。
しかも物語後半部分の展開では、これがある意味伏線になったりするのだが、それは見てのお楽しみ。

もっともこの事件の黒幕が某有名作品に出てくる某有名キャラクターだった、というオチなのだが、作品の知名度の割りにキャラクターの知名度が(日本では)さほど高いとも思えないので、その正体に頷く観客はさほど多くないかも知れない。

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003)_e0033570_0171432.jpgで肝心の映画の出来だが、物足りなさを感じる人は多いだろうし、かなり趣味に走った内容だけにノレない人は徹底的にノレないだろうことは察しがつくけど個人的には充分楽しめた。

監督のスティーブン・ノリントンと主演&プロデューサーのコネリーが衝突、プラハを襲った大洪水でセットが全滅…と製作中はトラブルが続き、しかもアメリカ本国じゃ大コケしてるというから不安で一杯だったが、東洋武術の使い手ネモ、パンチ一発で相手をKOするクォーターメイン爺さん、殆ど超人ハルク状態のハイドetcとこれだけの人数がいながら意外にも各キャラクター毎に見せ場も用意され(といってもキャラが立つというほどではない)、『七人の侍』の流れを汲む集団活劇としてはまず及第点ではなかろうか。
大掛かりなB級活劇万歳、である。
ただキャストが総じて小粒なのは惜しいのだが。

ちなみに原作には第二部があり、この映画も続編を示唆させる終わり方なのだが、全く企画が動いていないのが残念。
是非とも彼らの更なる活躍をスクリーンで見たいものだが、製作時のトラブルと興行面での失敗がプロダクションには大きな痛手となっているようだ。
ショーン・コネリーもこの作品を最後に引退宣言。
残念な結果である。


Tracked from kei☆の独り言;Blog at 2007-11-18 00:55
タイトル : ■リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
原題「The League of Extraordinary Gentlemen」 公式サイト 2003年 1899年のロンドン。世界征服を企むファントムが英国銀行を襲撃し、古いベニスの設計図面だけを盗んだ。英国政府は世界大戦を防ごうと、Mに超人紳士同盟「ザ・リーグ」を結成させた。メンバーは冒険家アラ..... more
Tracked from La.La.La at 2007-11-18 17:09
タイトル : 『リーグ・オブ・レジェンド』
制作年:2003年 / 制作国:アメリカ / 上映メディア:劇場公開 上映時間:111分 / 配給:20世紀フォックス / 監督:スティーブン・ノルトン 主演:ショーン・コネリー / スチュワート・タウゼント / ナサーラディン・シャー −あらすじ− ヨーロッパ国家間テロの黒幕“ファントム”を倒すべく、冒険家、アラン ・クォーターメインは超人同盟を結成する。 −感想− わりと面白いと思うんだけど出来としてはたいしたことがないです。 ストーリーなどよくできてるとはい...... more
Tracked from 映画のせかい2 at 2007-11-18 18:42
タイトル : リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた闘い #329
2003年 アメリカ 110分 海底二万哩のネモ船長が他の映画にも出てるぞ!ってことで教えてもらったのがこの映画。原作者および企画考えた人たち、きっとドキドキしてたんだろうなあー。透明人間、ジキルとハイド、ネモ船長、ドリアングレイ、ドラキュラ(のヒロイン・ミナ)、..... more
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-01-13 20:47
タイトル : リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い
 コチラの「リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い」は、アメコミならぬ古典文学のヒーロー達が夢の競演を果たしたSFアクション・アドベンチャーです。  イギリス・ドイツが舞台なのに製作は、アメリカ・ドイツ。でも、最後はなるほど!アメリカ的な?アメリカ万歳...... more
Tracked from 風に吹かれて-Blowi.. at 2008-05-27 22:05
タイトル : #450 リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い
製作:ドン・マーフィー、トレヴァー・アルバート 製作総指揮:ショーン・コネリー、マーク・ゴードン 監督:スティーブン・ノリントン 原作:アラン・ムーア、ケビン・オニール 脚本:ジェームズ・デイル・ロビンソン 撮影:ダン・ローステン 音楽:トレバー・ジョーンズ 編集:ポール・ルベル 出演者:ショーン・コネリー 、スチュアート・タウンゼント 、ペータ・ウィルソン 、ジェイソン・フレミング 、ショーン・ウエスト 、トニー・カラン 、ナジルラディン・シャー、リチャード・ロクスバ...... more
Tracked from Yuhiの読書日記+α at 2009-01-19 23:03
タイトル : リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
アラン・ムーアのコミックが原作。『ソロモン王の洞窟』、『海底二万海里』、『トム・ソーヤの冒険』など名作文学のヒーローが一堂に会する、ファンタスティック・アクション・アドベンチャー。主演はショーン・コネリー、その他のキャストはナジルラディン・シャー、ペータ・ウィルソン、トニー・カラン、スチュアート・タウンゼント他。 <あらすじ> 1899年、ロンドン。英国銀行が世界征服を企む鉄仮面のリーダー“ファントム”率いる謎の軍団に襲撃された。一味は金品には手をつけず、古い海上都市の設計図面だけを盗んでいった。危...... more
Tracked from パピ子と一緒にケ・セ・ラ.. at 2012-04-03 10:57
タイトル : リーグ・オブ・レジェンド/時空を越えた戦い(DVD)
『ソロモン王の洞窟』、『海底二万海里』、『トム・ソーヤの冒険』など名作文学のヒーローが一堂に会する、ファンタスティック・アクション・アドベンチャー。主演は元祖ジェーム ...... more
Commented by kei☆ at 2007-11-18 01:09
トラバありがとうございます。
この映画、一応、登場人物について後から調べたのですがいまいちで…。読ませていただいて、スッキリしました!ファントムは『オペラ座の怪人』ですか~。Mって『007』の!なるほど~。ショーン・コネリーだし、確かに!
日本には馴染みが少ないキャラだけど、本国ではOKなのかと思っていたら、コケてるのですか。続きがありそうなエンディングでしたが、できなさそうですね~。どちらにしろドリアンが出てこないなら観ないかもしれません(笑)。
Commented by odin2099 at 2007-11-18 19:41
>kei☆さん

この映画だけでも色々な作品からの出典が楽しめるのですが、あとで原作を読んだところ、もっと凄まじかったことがわかりました(笑)。
ほぼ全ページに裏ネタが隠されていると言っても良いくらい。
なかには「良かった探し」をしているポリアンナとか、ホラー、SF、ミステリー系のジャンルとは無関係なキャラクターまでゲスト出演しておりました。
Commented by miyu at 2008-01-19 17:45
続編作っても面白そうですよね。
ただ、その時は大作で作って欲しいなぁ。
こうゆうのって大掛かりな方が楽しめると思うんですよね。
Commented by odin2099 at 2008-01-19 23:17
続編、期待していたんですけどね。今となっては叶わぬ夢でしょうか。
必ずしも有名俳優を揃えなくても良いとは思うんですが、キャラクター・イメージは大切にして欲しいです。

この作品も、実際はかなりお金が掛かってると思いますよ。
作品全体に華やかさが感じられないので地味な印象があるんだと思いますが(苦笑)。
Commented by chibisaru at 2008-05-27 22:22
面白そうな話なのに、なぜかこんなんなっちゃったーって印象がぬぐいきれませんでした(=_=;)
一番気に入ったのがノーチラス号の造形だったというところがちょっと残念。
続編ありそな終わり方でしたよねぇ。ショーン・コネリーがこの作品を最後に引退しちゃったのは、もったいなさすぎるぅ。
Commented by odin2099 at 2008-05-27 23:46
ノーチラス号のデザインはユニークでしたね。
ネモ船長が原作通りのインド人というのも貴重。
案外マニア向けのツボを押さえてる作品ではあったんですがねー。

ちなみに原作じゃクォーターメン死んでないし、映画も明らかに復活を示唆してますので作って欲しいなぁ。
ノベライズ版ではラストで火星人攻めて来ます(笑)。
by odin2099 | 2007-11-16 00:21 |  映画感想<ラ行> | Trackback(7) | Comments(6)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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