『時の娘』 ジョセフィン・テイ
2007年 11月 20日
ということで以前から気にはなっていた作品に、思い切ってチャレンジ。ふむふむ、なるほど、そういうことだったのか・・・。

どうもこの薔薇戦争というやつ、出てくる人物が親類縁者ばかりウジャウジャといるのでゴッチャゴチャになり、誰が何をやってどうなったのかがイマイチ整理しきれないのだけれども、当たり前だと思われていることも丹念に調べていくと意外な盲点があり、場合によっては180度ものの見方が変わることもあり得るのだ、という点では充分に楽しめた。実際この作品が発表されて以降、リチャード三世像も再評価されるようになったというから、歴史書でもなんでもない、たかが小説とはバカに出来ない。もっともこれは作者独自の説ではなく、元ネタはあるらしいのだが。
ただやっぱりイギリス王家の話はピンとこない。この作品の存在を知ったのは、影響を受けて書かれた高木彬光の<神津恭介シリーズ>の一話『成吉思汗の秘密』を読んだからだったのだけど、そちらの方が面白かったな。
大好きです!
といってもかなりの部分を忘れてしまっていますが。(笑)
読んでいる間は夢中だったし、読み終えて大満足だった事を覚えています。時間があったら読み直したいなあ。
誰と誰が親子で、誰と誰が兄弟で、だからこの人とあの人は叔父と甥だとか、こういうの苦手なんですよねー。日本史だとそんなに混乱しないんだけど。
だからきちんと歴史を頭に入れてからなら、もっと楽しめたんだと思います。
その点『成吉思汗の秘密』は、源義経がジンギスカンだった?!というテーマなので、スンナリと入って行けました。