『仮面ライダー/THE NEXT』(2007)
2007年 11月 21日

前作公開から二年が経過しているが、物語内時間も「本郷猛と一文字隼人がショッカーを裏切ってから二年後」という設定。今度は1号2号だけでなくV3も登場するということで、物語の比重はV3=風見志郎に移るのではと思っていたが、意外にも主人公は本郷猛のまま。前作のラストで死を暗示させた一文字隼人も再登場し、正統派の続編となっている。
またこの作品はシリーズで初めてPG-12(12歳未満(小学生以下)の鑑賞には、成人保護者の同伴が適当)というレイティングの指定を受けるなど、ホラー色が強い。これも『仮面ライダー』の原点である”怪奇アクション”を突き詰めた結果か。その一方で風見志郎とその妹にスポットを当て、前作に続いて悲劇のラブ・ストーリーを盛り込むなど、TVシリーズや<東映まんがまつり>のような枠では不可能なドラマ性を重視した内容なのも嬉しい。
本郷猛役の黄川田将也、一文字隼人役の高野八誠は共に役柄を完全に自分のものにした感があって安心して見ていられるが、新たに風見志郎としてキャスティングされた加藤和樹も、どことなく『仮面ライダーV3』放送時の風見志郎=宮内洋を髣髴とさせる面差しで違和感はない。
ヒロイン役の石田未来は『仮面ライダー剣』の劇場版(他に『ミラーマンREFLEX』や『猫目小僧』にも出演)、森絵梨佳は『仮面ライダー響鬼』のレギュラーという具合にシリーズ経験者を揃え(加藤和樹も『仮面ライダーカブト』で、仮面ライダードレイク=風間大介を演じていた)、他の共演者も嶋田久作、斎藤洋介、益子梨恵、田口トモロヲらジャンル経験者が並べられている。
前作では旧作から天本英世演じる死神博士のフッテージがデジタル合成で使われ話題になったが、今回はショッカー首領の声をオリジナルの納谷悟朗が担当。だが往年の面影がまるでないのは寂しい。またヒロインだった緑川あすかや、宮内洋が演じたことで注目された立花藤兵衛など前作から引き続いて登場するキャラクターがいなかったのも残念だった。
ラストシーンは更なる続編誕生を思わせるもので、こうなったら時間をかけて大事にシリーズとして育てていって欲しいものだ。現役視聴者向けのTVシリーズとは、住み分けは充分可能である。
ただ本作のエンドクレジット後に設けられたシークエンスは全くの蛇足。続編を匂わせるならばもっと他の方法があったはずで、演出意図が理解出来ない本作唯一の汚点と言っても過言ではなかろう。

本日観て参りました、仮面ライダーTHE NEXT。アクションシーンは文句なしのスピード感と迫力で、これだけでも十分に観る価値有りと思えました。というわけで、簡単に印象のみをネタバレなしで参ります。ただし、この映画に感動したのでその感動を誰かの感想で確かめたい…という方はスルー推奨です(苦笑)。... more

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こちらでは上映されていないので、またDVDになりそうです。
やっぱ「仮面ライダー」を観てた世代は、避けられないかな?
エクスカリバーさんのコメントを読んで、観たい気持ちが高まりました。
相変わらず公開劇場数、少ないですからね。
前作は元々ビデオ映画としての企画だったものを特別に公開したという経緯があったようですが、今回は最初から劇場公開を狙っていたはず。
『ゲキレンジャー』&『電王』並みとは言いませんけれど、東映の直営館以外でも公開して欲しいですよね。
今回シナリオが酷すぎる、という批判もありますけれど、見応えのある作品にはなっていると思いますよ。
それにしても高野君、次回作は例の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』だそうで。
今度は再びアグルに変身するらしい。ガンバレー!(笑)
TB&コメント、有難うございました。
ストーリーの、というかシナリオの構成がイマイチな感じなのは前作同様なので特に気にならなかったのですが(苦笑)、やっぱり最後にCMが入っちゃう(爆)、というのはどうなんでしょうね。
次への「引き」が必要ならば、何もあのシチュエーションでなくても良いはずなんですが、あれはもしかすると作品世界のことではなく、我々観客がいる現実世界だという意味なんでしょうか???
P.S.
『宇宙戦艦ヤマト』のパチンコの記事も拝見致しましたが、こういうことでしか話題にならないのは寂しいです・・・。
色々と好きなシーンがあるので、いずれ『Fast』『Next』まとめて記事にしたいと思うんですが、でわヒトサマにオススメするのか?と自分に問うと、う〜んと唸ってしまうんですよね。
(=ω=;) 惜しい。すべてに関して惜しい作品ですね。
私はキャスト見ないで鑑賞したので、加藤和樹=風見志郎と判った時点で「おおお!こいつか!」と感動しましたよ。たしかにかの御方のテイストですね。
造型もいいし、バイクアクションもこれでないとライダーとはいえんじゃろ、と言えるし。でも今の映像技術ならもっと必殺のキックの迫力が出せるとは思うんですが。
ドラマ性や脚本力は、今の日本の特撮ではこれが限界なんでしょうか…せんだってのBS『まるごと石ノ森正太郎』の際に初めて観た『イナズマン特別編「ギターを持った少年」』や『スカルマン』での悪の組織の描写や目的意識がはるかに理屈にのっとった“大人”向けのつくりだったことを思うと、どうも特撮系の脚本はどこか昔のまんまで私には物足りないのです。
いや、むしろ今の作画+脚本力でアニメでの原作仮面ライダー完成版を望みたいです。
(T▽T) どすか、これ。
多分実写の方では昔ながらの体勢が維持されていて(それが悪いということではなく)、若手がひょいひょいと主導権を握るという訳にはいかないのだと思います。
アニメの方が若手にはチャンスがありそうですね。まぁ殊シナリオとなると若干状況は違うでしょうが、それでも実写の方が制約が大きいような。
でもこういう作品が作られたということは、少しずつ変ってきているんだろうな、とは思います。
”大人向け”の仮面ライダーという企画も、以前だったら『仮面ライダーBLACK』だったり、『真仮面ライダー』だったり、『仮面ライダーZO』止まりだったのですから。