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『邪馬台国の秘密』 高木彬光

『邪馬台国の秘密』 高木彬光_e0033570_2315840.jpg江戸川乱歩作品の明智小五郎、横溝正史作品の金田一耕助と並んで<日本三大名探偵>と称されるのが、この高木彬光作品に登場する神津恭介なのだそうである。
シリーズを読むのは今回が2冊目で、ジョセフィン・テイの『時の娘』に触発されて書かれたという『成吉思汗の秘密』は繰り返して読んだほどお気に入りの作品だが、同工のベッド・ディテクティブ物として書かれたのが、この『邪馬台国の秘密』。例によって病気で入院する羽目になった神津恭介は、その退屈を紛らすために「邪馬台国はどこにあったのか」「女王卑弥呼とは一体誰なのか」を解き明かそうと試みるという展開で、推理小説という体裁はとっているものの、その実、学術論文のような内容である。

本書の肝は、先ず最初の上陸地である末盧国を従来の定説とは違ったところにおき、更に「水行十日陸行一月」を出発地から目的地までのトータルの日程だと解釈していることだろう。結果、邪馬台国を宇佐に、卑弥呼は宇佐神宮の中央に祭られている比売大神と比定している。個人的には鯨統一郎・著『邪馬台国はどこですか』で披露された岩手県八幡平という説がお気に入りだが、これもなかなか説得力がある。この神津恭介=高木彬光説というのが専門家にどのように受け取られているのかは知らないが、畿内だ九州だと古くから論争が繰り広げられながらも未だ解決の目処さえ立たないこの大問題、案外素人視点の方が本質を鋭く突くのかも知れない。
by odin2099 | 2007-11-28 23:03 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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