『浦島太郎の真相/恐ろしい八つの昔話』 鯨統一郎
2007年 12月 31日
犯罪心理学者の山内、警察官の工藤、マスターの島、それに女子大生の東子がやはりバーで難事件に挑み、メルフェンを専攻しているという東子がグリム童話に絡めて鮮やかに解決してしまうという『九つの殺人メルヘン』という連作短編集があるのだけれども、これはその数年後という設定の続編。
それが書かれる前に彼女は、『邪馬台国はどこですか?』と『新・世界の七不思議』のヒロイン早乙女静香と一緒に『すべての美人は名探偵である』という作品で共演しているが、それ以外にも他の作品とは色々と微妙にリンクしているらしい。
今回取り上げられているのは表題作の浦島太郎をはじめ、桃太郎、カチカチ山、さるかに合戦、一寸法師、舌切り雀、こぶとり爺さん、花咲爺という日本の8つの昔話。これに一見無関係に見える懐かしのTV番組や映画、歌などにまつわる薀蓄話が絡み、お話のまとまり具合は前作以上。正直言うとこの人の作品は当たり外れというか向き不向きが結構あるし、昔話の新解釈に関しては読んだ人それぞれに意見があるだろうけれど、成る程と思わせるものも多いので充分に楽しめる。少なくても前作『九つの殺人メルヘン』と違って後味の悪さがないのが救い。こうなると更なる続編を期待したいところなんだけれども、続くのかな。
【内容情報】(「BOOK」データベースより) ここは「森へ抜ける道」という名の日本酒バー。常連の僕・工藤と山内、マスター・島の「ヤクドシトリオ」は、今夜も益体もない話に花を咲かせている。私立探偵である僕が、どうしても謎が解けない殺人事件のことを話すと(というか、山内とマスターが勝手に話してしまうのだ)、同じく常連の美人大学院生・桜川東子さんは、上品にグラスを傾けながら、なぜか日本のお伽話になぞらえて鮮やかな推理を展開する―驚嘆、そして思わず納得。『九つの殺人メルヘン』に続く、珠...... more
よし、本屋に寄ってからドームに行くかな(笑)
ジャンル的にはこのシリーズ(『九つの殺人メルヘン』『浦島太郎の真相』)、MIHOさん向きかも知れません。
ただこの鯨流の解釈を受け入れられるかどうかはわかんないけど・・・(苦笑)。
今年もカウントダウンだね、ご苦労様♪