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『浦島太郎の真相/恐ろしい八つの昔話』 鯨統一郎

日本酒をワイングラスに注いで出す嫌味なバー<森へ抜ける道>。そこに集う自称ライターである山内、語り部である探偵の工藤、マスターの島の元「厄年トリオ」と、大学院生になった清楚な美人・桜川東子が、日本酒のグラスをかたむけながら難事件に挑むという連作短編推理小説集。

『浦島太郎の真相/恐ろしい八つの昔話』 鯨統一郎_e0033570_9595830.jpg犯罪心理学者の山内、警察官の工藤、マスターの島、それに女子大生の東子がやはりバーで難事件に挑み、メルフェンを専攻しているという東子がグリム童話に絡めて鮮やかに解決してしまうという『九つの殺人メルヘン』という連作短編集があるのだけれども、これはその数年後という設定の続編。
それが書かれる前に彼女は、『邪馬台国はどこですか?』『新・世界の七不思議』のヒロイン早乙女静香と一緒に『すべての美人は名探偵である』という作品で共演しているが、それ以外にも他の作品とは色々と微妙にリンクしているらしい。

今回取り上げられているのは表題作の浦島太郎をはじめ、桃太郎、カチカチ山、さるかに合戦、一寸法師、舌切り雀、こぶとり爺さん、花咲爺という日本の8つの昔話。これに一見無関係に見える懐かしのTV番組や映画、歌などにまつわる薀蓄話が絡み、お話のまとまり具合は前作以上。正直言うとこの人の作品は当たり外れというか向き不向きが結構あるし、昔話の新解釈に関しては読んだ人それぞれに意見があるだろうけれど、成る程と思わせるものも多いので充分に楽しめる。少なくても前作『九つの殺人メルヘン』と違って後味の悪さがないのが救い。こうなると更なる続編を期待したいところなんだけれども、続くのかな。
Tracked from 個人的読書記録 at 2008-05-03 02:48
タイトル : 浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話/鯨統一朗
【内容情報】(「BOOK」データベースより) ここは「森へ抜ける道」という名の日本酒バー。常連の僕・工藤と山内、マスター・島の「ヤクドシトリオ」は、今夜も益体もない話に花を咲かせている。私立探偵である僕が、どうしても謎が解けない殺人事件のことを話すと(というか、山内とマスターが勝手に話してしまうのだ)、同じく常連の美人大学院生・桜川東子さんは、上品にグラスを傾けながら、なぜか日本のお伽話になぞらえて鮮やかな推理を展開する―驚嘆、そして思わず納得。『九つの殺人メルヘン』に続く、珠...... more
Commented by MIHO at 2007-12-31 13:04 x
こんなの出ているんですね。
よし、本屋に寄ってからドームに行くかな(笑)
Commented by odin2099 at 2007-12-31 17:40
MIHOさんは、確か鯨統一郎作品を他にも読んでたよね。
ジャンル的にはこのシリーズ(『九つの殺人メルヘン』『浦島太郎の真相』)、MIHOさん向きかも知れません。
ただこの鯨流の解釈を受け入れられるかどうかはわかんないけど・・・(苦笑)。

今年もカウントダウンだね、ご苦労様♪
by odin2099 | 2007-12-31 10:01 | | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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