『邪馬台国はどこですか?』 鯨統一郎
2008年 01月 01日

表題作では「邪馬台国はどこにあったのか?」という長年の論争に決着を付け(?)、ブッダの悟り、本能寺の変の真相(?)、明治維新の真の(?)首謀者、イエス・キリスト復活のからくり、そして聖徳太子の正体(?)等々について見事な理論で断言する語り口は実に快感。歴史学者や研究家、マニアは激怒するかもしれないが、案外真相はこうなのかも?と思わせるだけの力作揃いである。購入後は毎年一回は読み返しているくらいのお気に入り作品で、今回はこのタイミングでの再読となった。
しかしこの一作で惚れ込んだ「鯨統一郎」という作家だったが、他に読んだ作品はどれも今ひとつ。この作品のストレートな続編『新・世界の七不思議』という作品もあるのだけれど、所詮は二番煎じでこの作品を凌駕することは出来ず仕舞いなのが残念・・・!

―内容(「BOOK」データベースより)― カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。初顔合わせとなったその日、「ブッダは悟りなんか開いてない」という宮田の爆弾発言を契機に歴史談義が始まった…。回を追うごとに話は熱を帯び、バーテンダーの松永も教科書を読んで予備知識を蓄えつつ、彼らの論戦を心待ちにする。ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活―を俎上に載せ、歴史の常識にコペルニク...... more

ハーイ(^o^)丿小学校の社会の時間に習いました。邪馬台国には卑弥呼という女帝がいたと。しかし、邪馬台国の場所は、九州説や近畿説などがあるが、今でもどこであるかはわからないと。でも、小学校のときの僕にはすぐピンときました。卑弥呼とは直接関係ない話だけど、金印が九州で発見されているので、邪馬台国もきっと九州にあったのだと。それに自分が住んでいる場所も九州だし。って、裏づけのない話で、幼くも凛々しく聡明な小学生であった評者は思っていたものである。 本書「邪馬台国はどこですか?」は、表題を含み6つ...... more

「邪馬台国はどこですか?」鯨統一郎 東京創玄社 1998 出てくるのはたった4人。バーのバーテンダー松永、大学教授三谷と助手の早乙女、そして職業がいまひとつはっきりしない宮田。飛び出すのは今宵も歴史談義。 邪馬台国は九州でも畿内でもない○○にあった! ブッダは悟りを開いていなかった! 聖徳太子は実は○○と同一人物だった! 本能寺の変は・・・ イエスの奇蹟は・・・ 明治維新は○○が○○の力を使って起こした! いやいや。久しぶりに再読したら頭がクラクラしてきた。宮田の口から出てくるのはどう考...... more