『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1966)
2008年 01月 02日
フランケンシュタインの心臓から生まれた生物と地底怪獣バラゴンとの死闘を描いた『フランケンシュタイン対地底怪獣』の続編。
ただ人間の面影を残していた前作のフランケンシュタインとは違い、より怪物的なデザインへと一新。キャストもニック・アダムス、高島忠夫、水野久美の主演トリオからは、水野久美だけが残って後の二人はラス・タンブリンと佐原健二に交代。
ということで一般的にはストレートな「続編」ではなくて「姉妹編」と呼ばれている。
序盤から怪獣が登場し、前半部分から対怪獣戦が描かれるというストレートな内容で、ミニチュアワークの素晴らしさ、作画合成の見事さ(光学合成で描きこまれた光線と、木々がなぎ倒されたりする弾着のタイミングがピタリ)、そしてスーツアクターの演技が堪能出来る一本。
その反面サスペンス物の要素が薄く、例えば怪物が二体いることをもっと上手く使えなかったのか、などの不満も残る。ファンの多い名曲「メーサー光線車マーチ(L作戦マーチ)」にしたところで、何度も何度も使えば飽きてくるし。
以前観た時はもっと面白い作品だったと記憶していたのだけれども、こんなにつまらない作品だったか?
やっぱり東宝特撮映画史上に残る名場面でした。という事で、今回は昭和41年(1966年)公開の「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」について少し。 この映画、白眉は何と言っても、ガイラと"殺獣メーサー光線車"の激突です。山中でガイラを待ち受ける陸上自衛隊ですが、通常兵器(戦車、バズーカ砲、機関銃等)を使用した第一ラウンドではコテンパンにやられてしまいます。第二ラウンドではいよいよ陸自の切り札"殺獣メーサー光線車"2両が登場します。全長2mのプロップが製作されただけに迫力満点です。 森...... more
あたしも、おもしろい!という記憶しかないです。
身軽に飛び回るスローなシーンが印象的。
てかこれ、怪我するし、痛がるし、我慢するし、やんちゃだし、、、
そんなにつまらなかったですか?
微妙な映画ですよね。私も比較的最近見直したんですが、ちょっとがっかりしました。もちろんガイラ対メーサー殺獣車の攻防は最高ですけど。
私も「サンダ対ガイラ」は東宝特撮の中で気に入っている1つです。攻撃されるガイラを助けるサンダを見て分る通り、彼らは最初から敵対していた訳では無く、人間に対する価値感の違いで争う事になります。
ガイラを手厚く介護するサンダの様子に、彼の「弟」に対する愛情を感じ、温かい気持ちにさせられるだけに後に来る悲劇が際立って感じます。独りぼっちで生きてきた彼らにとって「兄弟」というか「同種族」との出会いは、驚きと同時に喜びでもあったと思いますから。
サンダにしてみれば、人間を襲うのをやめない「弟」の所業に嘆き、ガイラにしてみれば、どうして「兄」は例の2本足の生き物の事になるとムキになるのか分らない。彼らは争いながらも、お互い苦しんでいたに違いありません。そう思うと、この悲しい「兄弟」を作り出した人間の罪深さを痛感してしまいます。
この物語を見て思った事は、人間にとって不死身の肉体なんかより兄弟・同族が仲良く生きていける幸せの方が一番大切なのだという事です。私達もコミュニケーションの輪を広げる為に、色々な人達と仲良くしていきたいですね。
黄金期には様々な作品が量産され、質の面では低下した面もあったのかも知れませんが、その一方でバラエティに富んだ作品が沢山生み出されたのは称賛に値すると思います。
年に一本、あるいは数年に一本という製作スケジュールだったならば、おそらくこのような作品は作られなかったのではないでしょうか。
そして現在ではまず実現は不可能かと。
子ども向けの娯楽作であっても、まずしっかりとしたドラマが語られる、そんな作品がまた作られる時代が来ることを願って止みません。