『ブロークン・フラワーズ』（2005）

老境に差し掛かったプレイボーイの元へ、ある日差出人不明の手紙が届く。
便箋には「あなたと別れて２０年。あなたの息子はもうすぐ１９歳になります」と認められていたが、彼には心当たりがない。
お節介な隣人は、その頃に付き合っていた女性をリストアップさせるとその消息を突き止め、旅行のお膳立てまで整えてしまう。
かくして男は、かつての恋人４人を訪ねる旅へと出る羽目になるのだが・・・。

ドン・ファンを気取っていた男にビル・マーレイ、その友人にジェフリー・ライト、そして彼を取り巻く女性達にはジュリー・デルピー、シャロン・ストーン、アレクシス・ジーナ、フランセス・コンロイ、ジェシカ・ラング、クロエ・セヴィニー、ティルダ・スウィントンらが扮した、ちょっとしたミステリー風味も加味されたロードムービー。

何とも言えない味わいを持った一篇だが、どことなく尻切れトンボなラストシーンには得心がいかなかった。そこを評価する声は意外に多いのだが、所詮は感覚が合わないということだろうか。

脚本・監督はジム・ジャームッシュ。