『故郷への長い道/スター・トレック4』(1986)
2008年 01月 13日
地球に謎の宇宙船が強力な電波を発信しながら接近、こちらからの送信には応答がなく、そのあまりの強力さに地球上の機能は次々と停止していった。地球へ帰還途中だったカークを始めとする元エンタープライズ号のクルーたちは、その電波が人類よりも古い知的生命体であるザトウクジラへ向けたものだと推測するが、23世紀の地球にはもはやザトウクジラは絶滅しておりメッセージに答える術はない。その為20世紀末へとタイムワープし、ザトウクジラを捕獲して連れ帰ろうと試みるのだが・・・。シリーズ最高のヒットとなった4作目。カークたちは前作のラストでエンタープライズ号を破壊してしまった為、今回はクリンゴンから奪った宇宙船に搭乗。しかもタイムトラベルの結果”現代”のアメリカが物語の中心になるといった異色の展開が見られる。
23世紀人である彼らと20世紀とのカルチャー・ギャップなどコミカルな要素も多く、一方で環境問題を扱うなどバランス感覚にも優れた作品。”捕鯨反対”のメッセージにも押し付けがましさはない。レナード・ローゼンマンの能天気な音楽も、作品の雰囲気を盛り立てるのに一役買っている。
冒頭でカークたちはクリンゴン大使の告発によって裁判にかけられようとしているが、一連の事件の後にはその功績を認められ、カーク以外のクルーたちは無罪、カークのみは上官への命令無視、エンタープライズ号の強奪及び破壊などの責任を取らされるが、処分は提督からの降格のみ。結果、念願だった艦長として現役復帰が叶い、新たなエンタープライズ号を与えられるというところで幕。次回作への期待を持たせる完全なハッピーエンドとなり、最後まで明るさを保ったままであった。ちなみにこの作品の邦題、日本での興行成績を鑑みたのか当初はシリーズの一本であることをあえてぼかしたものだったが、現在では逆に『スター・トレック4/故郷への長い道』とシリーズの一本であることを強調するものになっている。
それと何度観ても飽きさせない作品だなと思います。
当初はシリーズの一本であることをぼかしていたんですか、驚きです。
シリーズとして観ると更に面白いのに…。
監督が観客のツボを掴んだなんてLDの解説で言っていましたが、もう掴まれっぱなしでした。
いらっしゃいませ、有難うございます!
当初は、というよりも劇場公開時には、と言い換えた方が良いかもしれません。
その後も『ジェネレーションズ』『ファースト・コンタクト』『ネメシス』など、「スター・トレック」をぼかした邦題が続いてますしね。
いずれもビデオ乃至はDVD発売時には『スター・トレック』を頭に出すように改題されています。
シリーズの興行成績があまり芳しくないので、独立したSF映画として売りたいということなんだと思います、残念ながら。
シチュエーションや小道具だけでなく、キャラクターの魅力を描いている点も好感が持てます。





