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『親鸞の不在証明』 鯨統一郎

一休、空海の秘話を聞きだした陰陽師の六郎太と白拍子の静のコンビ、三日めは親鸞上人縁の寺を訪ねます。そこで出会ったのが浄土真宗中興の祖・蓮如。親鸞の謎を問い質そうとする六郎太に、蓮如は自らが遭遇した不思議な事件を語り始めるのですが・・・。

『親鸞の不在証明』 鯨統一郎_e0033570_23462399.jpg続けて鯨統一郎作品を読み漁ってますが、今回は過去の話ではなくついこないだ蓮如が遭遇した事件を語るという構成になっています。ある村で起った陰惨な連続殺人事件の謎に、旅の途中で立ち寄った蓮如が請われて挑むというもので、これが親鸞の秘話とどう絡んでくるのかは最後まで読んでのお楽しみ。
とはいっても謎解きも、そして物語の構成そのものも捻りすぎで、読んでいて些か辛いものがあります。また事件解決に乗り出した蓮如も、すんなり謎解きとは行かないのでまだるっこくてイライラさせられる部分も無きにしも非ず。一応シリーズ3作目ということになると思いますが、レベルとしては段々と落ちていっている印象がありますね、残念ながら。

ところでラストで六郎太と静は富士山を目指して旅を続けますが、このシリーズはまだまだ続くのでしょうか。
by odin2099 | 2008-01-15 23:52 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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