『宇宙大怪獣ギララ』(1967)
2008年 01月 16日

怪獣映画ブームの真っ只中、これまで怪獣や特撮とは無縁だった松竹が、東宝のゴジラや大映のガメラに対抗すべく生み出した怪獣映画、それが『宇宙大怪獣ギララ』である。全国の子供たちから名前を一般公募して命名したり、松竹としてはかなりの予算を費やした意欲作。
ただ後発ならではの大胆なアイディアを盛り込みでもすれば差別化が図れたかもしれないが、なまじっか正攻法で行ったばかりにブームの渦中に埋没してしまったようだ。お話も平板で、宇宙での冒険旅行や怪獣の都市破壊のサスペンスよりも、主人公を巡る二人のヒロインの恋愛ドラマに比重が置かれているのは残念。UFOもギララの正体も不明なままだが、その目的は人類の宇宙進出を阻止することにあり、そのためにギララを送り込んだ、という解釈で宜しいか。
また、音楽を担当しているのは いずみたく だが、主題歌(倍賞千恵子が歌っている)の他には2~3曲しか作っていないんじゃないかと思うほど同じメロディーが何度も出てくる上に、それが単調なために画面を盛り上げるどころか殺してしまっている。これを改善するだけで、かなり作品の印象は向上すると思えるのだが・・・。

ただギララのデザインそのものは地球外生命体としての異質さが出ていて悪くないし、登場するのは映画が始まって半分以上過ぎてからだが、一度出てくるとひたすら暴れっぱなしというのもなかなかユニークなので、キャラクターとしての魅力はそれなりにあると思う。
監修はSF作家の光瀬龍、特撮監督・池田博、監督は二本松嘉瑞。出演は和崎俊也、原田糸子、柳沢真一、園井啓介、岡田英次、ペギー・ニール、フランツ・グルーベルら。デビュー当時の藤岡弘、の顔も見ることが出来る。
なお10年ぐらい前から何度かリメイクの話が出ており、一時は同じように日活唯一の怪獣であるガッパとの共演話まで持ち上がっていたものの、どうやらその後は立ち消えのよう。怪獣映画はゴジラとガメラだけじゃない、ということを示す意味でもこのリメイク共演、実現して欲しかったのだけれども、もう無理かな。

五つ星評価で【★★謎また謎】 劇場では多分2回目。 なのに見てて、よう分からん。舟を漕いでしまうからだな。いやまあ、しかし、つまらんのだもん、これ。 あのUFOって何な ...... more
ビデオは10年ぐらい前に見直したんですが、とっても退屈でした。大人の観賞に耐える作品とは言えませんね。(笑)
これ、上手く作ればもっと面白くなったと思うんですがねー。
特撮セットをオープンで組んで自然光を取り入れたり、カメラをローアングルにセットして仰るショットを入れたり、音楽をいずみたくじゃなくて別人にする(爆)とかでも随分と違うはずです。
まぁそれが松竹らしさなのかも知れませんけどね。
プラモ、流石に記憶にありません(苦笑)。発売してたんですねー。
この頃だと『サンダーバード』のプラモが話題になっていた頃でしょうか。
直接見たことはないですが、確か寅さんの夢の中のお話として、この作品の映像が流用されているんでしたっけ?
まぁ二度観たい作品じゃないですが、一度は観ても良いかな、という感じですかね。
・・・二度観ちゃってるけど(爆)。

管理人さん>
≫≧寅さんの夢の中のお話として、この作品の映像が流用されているんでしたっけ?
>「男はつらいよ」にギララが登場するのは、「寅次郎真実一路」のアバンタイトルですね。
ここでのギララは、“日本に突如現れた怪獣と言う設定で預言者の寅さんに倒される…”と言う設定でギララが倒され寅さんが眼を覚ますとゴジラのお面をかぶった子どもが目の前にいると言うシーンがあるそうです。
なお、その他の登場人物はタコ社長→総理大臣・源ちゃん→官房長官・博とさくら→寅次郎博士の家族?だそうですが、ギララを見てタコ社長が「ゴジラだ!(ちょうど「ゴジラ1984」の公開当時と思います)」と言うシーンがあったと思います。
>
寅さんには正直あまり関心がないのですが(苦笑)、このシーンだけでも観てみたいですね。