『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』 歌野晶午
2008年 01月 20日
ではどういうことかと言うと、歳三は仕事帰りに兄である理一の家に寄り、夕飯を食べながらビールを飲むのを楽しみにしています。その理一が男手一つで育てているのが、小学5年生になる一人娘のひとみ。つまり歳三にとっては姪っ子です。その姪っ子相手の何気ないやりとりや、ふと口にした言葉がヒントになって、歳三が難事件解決の糸口を掴むというのがパターンです。
収録されているのは「黒こげおばあさん、殺したのはだあれ?」、「金、銀、ダイヤモンド、ザックザク」、「いいおじさん、わるいおじさん」、「いいおじさん?わるいおじさん?」、「トカゲは見ていた知っていた」、「そのひとみに映るもの」の6編。
ジャンルとしては所謂ライトノベルに分類されるのかと思いますし、語り口も軽めなのでサクサク読めますが、トリックや犯人像はなかなか凝ったもの。また事件が解決して一つのエピソードが終っても、後のエピソードで事件に関する事柄や人物の違った面が窺えたり、大きな影響を与えていたりと、全体の構成もなかなか考えられていますので侮れません。
それにしてもこのタイトル、昨今流行のジュニアアイドルのDVDみたいですが、これは狙いなんでしょうか?
歌野晶午は短編よりも長編の方が面白いと感じるなどとしょっちゅう書いている気がしなくもないのですが、またもや短編集です。といっても、連作短編ですので、流れが繋がっていて前後の話に関連があるので長編の要素もあるといえばありますかね(といって、連作短編型長編...... more
舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 (カッパ・ノベルス)歌野 晶午光文社 2007-11-20売り上げランキング : 30464Amazonで詳しく見る by G-Tools 内容説明 舞田歳三は浜倉中央署の刑事だ。難事件の捜査の合間を縫って姪のひとみをかわいがる歳三だが、彼女のふとした言動が事件解決のヒントになったりもして…。ちょっと生意気でかわいらしい少女と、難事件を巧みに描く短編集。 ... more
{{{ 舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 歌野晶午 光文社 }}} 刑事の'''舞田歳三'''は、浜蔵大学の助教授である兄・'''理一'''とその一人娘・'''ひとみ'''の父子家庭に寄り、ひとみとゲームで遊び、晩御飯のお相伴にあずかるのが楽しみの毎日。...... more
事件の内容は、社会を鋭く斬っているし、何分、子どもが事件に関わるものが多く、読みながら少し複雑な気分でした。