『チーム・バチスタの栄光』 海堂尊
2008年 01月 21日
ところが原因不明の術中死が立て続けに起ったことから、病院長は内部調査を決断。それは桐生自らの希望でもあったのだが、その任に当たるべく白羽の矢を立てられたのは、何故か万年講師の窓際族・田口医師だった。
不運だったのか、医療事故か、それとも殺人なのか。田口はチームのメンバーから聞き取り調査を進めるが、調査は行き詰まりを見せていた。そこへ病院長の差配によって、厚生労働省から「ロジカル・モンスター」の異名を取る変人の役人・白鳥が派遣されてきた。型破りな白鳥の調査により、これまで見えてこなかったチーム・メンバーの一面が次々と明らかにされていく。そんな中で次の手術の予定が決められていくのだが・・・。

徹底的に”文系人間”の自分は、医療現場を舞台にしたミステリー小説と聞いただけで初めは敬遠してしまったのだけれども、<メディカル・エンターテインメント>と言われると「何だそれ?」と思いつつも興味が湧いてきた。
そうこうしているうちに文庫本になり、映画化もされるというから、その前にでも読んでおこうかな程度の軽い気持ちで読み始めたけれど、こりゃ話題になるだけあって確かに面白い。著者は現役の医師だそうだが、専門領域に留まることなく素人にも付いて行けるような絶妙の匙加減だ。
物語は田口の一人称で語られているが、前半は、はみ出し者ではあっても奇人変人の類ではない田口の、実直な聞き取り調査の描写が中心。ところが後半になると、文字通り奇人変人の白鳥が登場して周囲をかき回していくという二段構成になっている。
ミステリー物によくあるホームズとワトスンのコンビ物の変形と言ってしまえばそれまでだが、この二人だけでなく脇役にいたるまでキャラクター造型がお見事なので、会話だけでも楽しませてくれるのだ。シリアスとコミカルさのバランスも良い。
海外で現役法曹関係者の書いたサスペンス物が持て囃されるようになって久しいが、現役の医師が医療問題を扱った作品を書くようになったのも時代の流れか。
そういえば白鳥が次々と関係者を挑発し、吊るし上げていく(?)様は、どこかリーガル・サスペンスにおける法廷場面に似ている。
ところで読んでいる時に脳内イメージにあった田口は、ズバリ阿部寛だったのだが、映画版では田口のキャラクターが女性に変えられ、竹内結子が演じるとのこと。で、阿部寛は白鳥の方を演じるらしいが、うーん、これは映画を見てみないと何とも。自分にはイメージ出来る役者がいなかった。
また映画では吉川晃司が演じている桐生役には、椎名桔平の顔がチラチラしていたのだけれども・・・?
ま、映画は映画で楽しませて頂きますが。


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なんの予備知識もなく読み始めたので、若干クールな田口オンリーで完結するとばかり思っていました。まさか後半、あれほどのトンデモ伏兵が登場してくるとは、、、。(^^;
個人的には、もうちょっと重厚な作りの作品の方が好みなのですが、サクサク次行ってみよーー!のノリもキライじゃないのでこれはこれで楽しめました。
映画版はキャスティングに違和感ありすぎでちょっと、、、。
田口役が「女性」ってところからしてうーーーん、です。(田口、好きなので)
「リング」の時も主人公が突如女性に代わってガッカリしたものですが、やはり女性主人公の方が集客が期待できるってことですかね?
文庫版だと白鳥登場から下巻になりますので、上巻とガラっと雰囲気が変るのでオドロキです(笑)。
所謂主人公サイドで、これだけ傍若無人なキャラも珍しいのではないかと。
でも面白いし、構成も見事というほかないのかも知れませんね。
読んでるときは映画の配役はシャットアウトしていたんですが、キャスティング表を見てもシックリくる配役はいませんねぇ。
映画観た後では印象変るかとは思うんですが、うーん、池内博之だけはまぁまぁ雰囲気かなぁ、程度です、今のところ。
『リング』もねぇ・・・。真田広之も決してイメージじゃなかったしなぁ・・・。
私は元々医療サスペンス系は好きなのですが、これはそういう系統というよりも・・・とにかく舞台設定やキャラ設定がお見事で、凄く面白かったです。
田口先生はいい味出していますよね~
ボーっとしているようでも、いざという時に頼りになるって感じで大好きです。
白鳥は、ハッキリ言って苦手なタイプですが(笑)、彼がまたいい味なんですよね~
このシリーズは5作とも読みましたが、2作目以外は無難に楽しめました。
映画ですが・・・私はイマイチでした(汗)
鑑賞されたら感想を教えて下さいね!
医療サスペンスですか。
うーん、ロビン・クックを一冊読んだくらいだなぁ・・・。
それはさておきこの作品、キャラクターの台詞のやりとりで楽しませてる部分は多いですよね。
会話の妙というと、田中芳樹作品を初めて読んだころを思い出しました。
映画ではどうなってるのか、期待半分不安半分。
原作の方は、シリーズ全作及び関連作(というと今のところ全作品?)には手を出してしまいそうです。
ドラマ版では仲村トオルが、どこまでそれを表現してくれるかなんですが。
そして申し訳ありません、3ついただいたうち、違う記事のTBをここに送ってしまいました。
映画は原作とはだいぶイメージが違って残念でした。ドラマも田口はどう考えても伊藤君ではないので、見るのはやめました。
こちらこそ有難うございました。TBのことはお気になさらないで下さい。
TVドラマ版は2話までは追いかけてます。
原作知らなければ結構楽しめるのかなぁと思いつつ、出てくる人たちは皆同姓同名の別人だと割り切って観てます(苦笑)。
しかしこれで犯人変えられるのでしょうかねぇ。