『怪獣ゴルゴ』(1960)
2008年 02月 02日

ローリー監督は他にも怪獣映画を撮っているらしいが、日本で言えば本多猪四郎や福田純のような存在なのかな。
物語は未開の地から都会へ連れて来られた怪物が暴れだすという、『ロスト・ワールド』や『キング・コング』でも御馴染みのものだけれども、親子の情愛(?)を盛り込んでいるのが新味。但し思わせぶりなキャラクターが結局何もせずに退場したり、主人公が中途半端に自己反省したりとドラマ部分は迷走が続く。
特撮場面もミニチュア造型や合成には見るべき点が多く、時折「おおっ!」と思わせるショットもあるものの、やはりノウハウのない悲しさか、東宝怪獣を見慣れた目にはかなり劣って映ってしまう。それに中島春雄のような名人がいないため、ゴルゴの目線が死んでいるのも残念。
戦闘機の発進シーンや駆逐艦などのシーンでは軍のライブラリー映像を使っているようで、それはそれでホンモノの迫力があるのだけれども、昼夜お構いなしに繋いでいるので観ていて非常に気になる。それ以外のシーンでも晴れたり曇ったり、ショットとショットで合わせようという配慮は皆無。比較的金は掛かってそうなのだけれど、案外低予算だったのかも。
それでもこれで二本目、三本目と続けていけば結構イイ線行ったかも知れないが、着ぐるみ巨大怪獣は日本の専売特許のままのようだ。