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『犬神家の一族』(1976)

『犬神家の一族』(1976)_e0033570_0255592.jpg角川春樹事務所製作による、所謂”角川映画”の第一作がこの作品です。
原作は横溝正史の金田一耕助モノの一篇で、亡くなった資産家の遺産相続を巡って、一族内の陰惨な殺人事件が起るというお話。金田一耕助に扮した石坂浩二の好演もあって以後5本ものシリーズになり、最近ではリメイク版も作られましたが、2作目以降は”角川映画”ではありませんので、厳密に言うとこの作品だけシリーズ外作品ということになるのかも知れません。

大ヒット作ですが公開当時には観ておらず、初めて観たのは10年ぐらい前だったでしょうか。
丁度今みたいにアガサ・クリスティー原作のものなどをまとめて観ていた時期があったのですが、その頃にこのシリーズもまとめて観ています。
その後リメイク版が公開されるというのでもう一度見直して、それからリメイク版も、と思っていたのですがタイミングを逸してしまい、今回久しぶりに観直したのですが、今度は市川崑監督が亡くなったばかりという妙なタイミングになってしまいました。
決して追悼のつもりではなかったのですがね。

前回観た時は「古い作品だなぁ」と思ったのを覚えています。
御馴染みの役者さんたちが当然ながら皆若いということもありますし、映像表現にも当時の限界を見てとれます。
今ならば特殊メイクなどもっとリアルに表現出来るわけですから。
でも今回は、あまり気になりませんでしたね。
やはりパワーのある作品です。
犯人を含めて全てのネタを知って観ていてもなお、充分に楽しめました。
上映時間はやや長すぎる感はありましたが、その分丁寧に作られているのも確かです。
それにしても島田陽子(島田楊子)は綺麗ですねぇ…。
Tracked from 小六のB級A画館 at 2008-02-16 14:37
タイトル : 犬神家の一族 (1976)
■犬神家の一族 1976年・日 犬神家の一族 ■監督 市川崑 ■製作 角川春樹、市川喜一 ■原作 横溝正史 ■脚本 長田紀生、浅田英一、岩下輝幸、日高真也、市川崑 ■音楽 大野雄二 ■キャスト 石坂浩二 (金田一耕助) 【犬神家のみなさま】 三国連太郎 (犬神佐兵衛) 高峰三枝子 (犬神松子) 三条美紀 (犬神竹子) 草笛光子 (犬神梅子) あおい輝彦 (犬神佐清/青沼静馬) 地井武男 (犬神佐武) 川口晶 (犬神小夜子) 川口恒 (犬神佐智) 金田龍之...... more
Tracked from トリ猫家族 at 2008-02-16 22:39
タイトル : 「犬神家の一族」のこと
 もうすぐ、新版「犬神家の一族」が公開になりますね〜 1976年の「犬神家の一族」は映画館でも見ましたし、 放送される度に見ております。  何故、こんなにもこの作品に惹きつけられるのか・・ 多分、あのおどろおどろしい世界、陰惨な中にある美しさのようなもの....... more
Tracked from 青いblog at 2008-11-09 15:40
タイトル : 犬神家の一族
1976年版。 石坂浩二さんの作品が観たくなったので。 金田一耕助って…事件を未然に防がないのね。 事件が起きる前に金田一が呼ばれて最初の事件が起き... more
Tracked from いやいやえん at 2022-01-04 15:42
タイトル : 犬神家の一族(1976)
【概略】 日本の製薬王といわれた犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が残した謎の遺言状。犬神財閥の巨額の遺産を巡って、血塗られた連続殺人が次々に起こっていく…。犬神家の家宝、斧(ヨキ)、琴(コト)、菊(キク)に隠された秘密とは? サスペンス .0★★★☆☆ 市川崑監督の金田一耕助=石坂浩二版です。 家屋の冷え冷えとして薄暗い感じ、素晴らしい。白黒映像もそれっぽく出来ていますし雰囲気が抜群。当時は...... more
Commented by Brian at 2008-02-16 07:46 x
インパクトがある作品でした。
このおかげで金田一シリーズを見る切欠にもなったわけですが・・・。
「よきこときく」とは、当時は感心しちゃったもので、未だに記憶の断片に残ってます。
島田陽子さんは当時23歳だったそうで、初めてのポロリだったそうですよ。
「約束が違う!」といって、本人は怒ってたらしいですが・・・。
リメイク版はまだ見てませんね~。 
Commented by odin2099 at 2008-02-16 08:25
佐清さんのマスクと、湖から突き出た足のビジュアル・インパクトは凄いものがありましたね。
公開当時に観ていたら、トラウマになっちゃったかも知れません。
そして「見立て殺人」というのがどういうものか、これで良くわかりました(笑)。

島田陽子はこの頃は清純派の若手女優だったんですよね。
前回観た時はそうでもなかったのですが、今回は本当に綺麗だなぁと思いました。
例のシーンは、実は観直すまで忘れてました(苦笑)。
NGにすると監督に言われて撮り直したのに、結局使われてしまったのでショックだった、みたいなコメントが出てましたけど、今では感謝しているのだとか。うーん、複雑・・・。

この後は『将軍』がヒットして「国際女優」のレッテルを貼られちゃったり、あるいはスキャンダルに巻き込まれたりで、なかなか毀誉褒貶の激しい女優さんになってしまいましたが。
Commented by 小六 at 2008-02-17 09:02 x
おはようございます。
TBありがとうございました!
小六も金田一シリーズが大好きで、映画もテレビドラマも小説も見ました。
いいですよね。
先日市川崑監督が亡くなってしまい残念です。
ひとつの時代が終わったという感じですね。
では、また~
Commented by odin2099 at 2008-02-17 09:39
>小六様

お早うございます!わざわざ有難うございました。

実は<金田一>は一連の劇場作品でしか知らないのですが(他は『悪魔が来たりて笛を吹く』、『悪霊島』などの角川映画と、松竹の『八つ墓村』等々)、独特のムードがありますね。
原作にはこれから徐々にチャレンジしていくつもりです。

市川監督の作品も、昔の名作と呼ばれている作品群は一度は目を通しておかないとな、と思っております。
年齢を考えれば大往生なのかもしれませんけれども、次回作の構想もあったようですから残念ですね。
Commented by samurai-kyousuke at 2008-02-22 14:35
テーマ曲も印象的ですね。
耳にする度に石坂浩二さんが頭を掻いてるシーンが目に浮かびます。
Commented by odin2099 at 2008-02-23 09:12
>samurai-kyousukeさん

リメイク版でも、確かテーマ曲は変えなかったんですよね。
それだけ印象的なメロディーだったということで。

しかし金田一さんは後手後手にまわったり、「しまったーっ!」と叫んだり、結構頼りないですね(苦笑)。
Commented by 小夏 at 2008-02-24 12:35 x
「古い作品」だからこそ匂いたつような不気味さを感じますね。
ってことで私は断然旧作派。新作では映像がクリアになった分、そういった幻想的な色合いが失われてしまった気がします。
島田陽子さんはお綺麗ですよね~。ただ美しいだけじゃなく、そこはかとなくホラーな雰囲気も纏っていてグーです。いまもって珠世役には彼女以外考えられませんもの。
松嶋菜々子さんも悪くはないのだけど、そういう部分で物足りなさも感じますね。
Commented by odin2099 at 2008-02-24 19:14
>千夏さん

まだリメイク版の方は観ていないのですよ。
先にシリーズ全作を見直してからにしようか、それともリメイク版にしようか、現在悩み中(笑)。

松嶋菜々子はタイプとしては、リメイク版では深田恭子が演じている女中さんの方が似合いそうですよね。
庶民的で可愛い感じなので好きではあるのですが、「美人」というのとはちょっと違う気がします。
by odin2099 | 2008-02-16 00:27 |  映画感想<ア行> | Trackback(4) | Comments(8)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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