『100万ドルのホームランボール/捕った!盗られた!訴えた!』(2004)
2008年 02月 18日
ドキュメンタリー映画なのですが、これは面白いですね。ロサンゼルス映画祭で最優秀ドキュメンタリー(観客賞)を受賞したり、フェニックス映画祭でも最優秀ドキュメンタリー(審査員賞)を受賞したりして評判を呼んでいましたが、然もありなん。人間の浅ましさを抉り取った悲喜劇ですな、こりゃ。ホームランボールを手にしたのはパトリック・ハヤシという人なんですが、これに対してアレックス・ポポフという人物がボールは自分がキャッチしたと主張。しかし大混乱の中で誰かにそれを盗まれたのだ、というのです。実際彼が捕球をした瞬間はTV局のカメラに収められ、観客の中にも目撃者が何人もいたことから、ボールは自分のものだというワケです。実際、映像や証言ではハヤシの行動も誉められたものではなさそうなのですが、ではポポフが正当な権利者なのかというとそれもギモン。
結局この二人の争いは裁判沙汰になり、その決着までには一年以上が掛かっています。最初のうちはどちらかに肩入れして観ているのですが、途中で段々とバカらしくなり、呆れてきます。ボンズ本人も「裁判なんかやらないで、ボールを売った金を二人で分け合えばいい。弁護士が儲かるだけだ」とコメントしているのですが、全くその通り。良い歳した大人が何やってんだ?!という気分になってきますね。
ただ、”占有”にポイントを絞った裁判の行方には興味を惹かれますし、当人達の大真面目なコメントや目撃者たちの証言も大変面白いもの。事実は小説よりも奇なり、というヤツでしょうか。
そして出された判決がどうだったかは、是非皆さんの目でお確かめ下さい。
それにしてもこんなに大きな裁判になっていたとは知らなかったですね、この事件。日本でも大きく取り上げられてましたっけ?
更に判決が出た後にも色々な意味でオチが付きますので、最後まで飽きさせません。





