『犬神家の一族』<金田一耕助ファイル>5 横溝正史
2008年 02月 28日

いや、映画やTVドラマでストーリーは知っているはずなんだけれども、こりゃ先はどうなるんだろう?と思いながらワクワクしながら読めた。
というのもストーリー自体が違うわけでもないのだが(特に中盤あたりまではほぼ忠実に再現している)、クライマックスに差し掛かると「えっ?××が○○だったの?!」という衝撃の事実(?)が…。
松子と佐清に人間味をプラスしたのは映画版の功績だが、反対に比重の軽くなってしまったキャラクターもいるし、原作ではまだしも同情の余地がある青沼静馬が、映画では狡猾な復讐鬼になっていたりと随分イメージが違っていたが、うーん、これはどうなんだろう?
原作は原作で、映画は映画で楽しんだが、この改変ぶりを考えると映画版の評価はちょっと変ってきそうだ。
最初の映画版のイメージが強烈に残っている一人です。確かに映画は(特に角川はねぇ)イメージを誇張して描いているところがあるでしょうから、小説がしんみりとした物語なら、だいぶイメージが違うんでしょうね。
読んでみたい気もしますが、どうも佐清が怖くて(汗)
角川映画は「原作は素材」「アイディア」程度に扱ってる作品が少なくないですよね。
あるいは本を売るための「長いCM」だったり。
それでも面白い作品になっていればいいのですが、中にはアレレレレ?というものも・・・。
原作では佐清(=静馬?)は映画ほど不気味さは感じません。
怖さを感じさせるのは、むしろ珠世の方だったりして(苦笑)。
そのギャップも面白いと思うので、機会があれば是非お読み下さい。