『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』（2007）

113年前にマゴリアムおじさんが開いたおもちゃ屋は、魔法の国のような不思議な世界。店長を務めるモリー、それにお手伝いをする少年エリックは、今日も多くのお客さんの相手で大忙し。ところが243歳の誕生日を迎えたおじさんは、突然「この世界から消える」と宣言。新しく計理士のヘンリーを雇い、モリーに全てを託すことを決めていた。驚くモリーとエリック。
モリーは幼い頃には天才ピアニストとして持て囃されていたのに、23歳になった今では作曲も思うままにならず、その自信を失いかけており、エリックも、どうしても友だちが出来ずに悩んでいた。おじさんの突然の引退宣言、自分に自信の持てないモリー、それに魔法を信じないヘンリーにおもちゃたちは戸惑い、反発し店は大混乱に陥ってしまう。
そしてとうとう、マゴリアムおじさんは笑顔で旅立ってしまう。おじさんのように魔法の使えないモリーには、店を手放すしかないのだろうか。しかしやっとヘンリーという友だちが出来たエリックには違う考えがあった。エリックの頼みで、モリーに思いとどまるよう説得に行ったヘンリー。その時二人の前で奇跡が起る・・・！

ダスティン･ホフマンとナタリー・ポートマンの共演で贈る、カラフルで華やかなファンタジー映画。
観ていて何となく楽しい気分にさせてくれる一本ではあるのだけれども、お話は「信じれば夢は叶う」式の、すーっと流れていってしまうような深みのないものだし、マゴリアムおじさんを始めとするキャラクターもどことなく薄っぺら。美術や音楽のスタッフに支えられ、役者の演技に助けられ、どうにかこうにか体裁を保っている、というような印象を受けてしまった。こういうストーリー、本来は大好きなんだけれどもね。

また今回は吹替版での鑑賞（そちらがメイン？）。ダスティン・ホフマンに青野武？と思ってしまったけれど、役柄には良く合っていたように思う。
ナタリー・ポートマンの坂本真綾は馴染みがあるので安心して聴いていられるし、ヘンリー役ジェイソン・ベイトマンをアテた内田直哉も最近はすっかり声優業が板についた感じ（なんせデンジグリーンを知ってる世代なもんで）。それにエリック役ザック・ミルズの声を担当した矢島晶子はやっぱり上手い。
ところでチョイ役の男の子が『クレヨンしんちゃん』のように喋るシーンがあったのだが、これは彼女の二役だったのだろうか？