
アカプルコに滞在するヘイスティングを訪ねたポワロは、引退した俳優チャールズの屋敷で開かれたパーティーに招かれたが、その席上でカクテルを飲んだ牧師が突然死を遂げた。
その二週間後、ほぼ同じメンバーが顔を揃えた精神科医ストレンジ博士邸での夕食会で、今度はホストのストレンジ博士自身が倒れ、息を引き取った。
その死体から毒物が検出されたことを知ったポワロは、連続殺人事件だと断定。
犯人はこのメンバーの中にいると睨む。
ピーター・ユスチノフがポワロを演じたTVドラマの一篇で、原作は『三幕の殺人』。
映画版シリーズには及ばないが、ゲスト主役にトニー・カーティスを迎えるなど、なかなか豪華な作り。
原作はおそらくかなり凝った内容なのだろうと思うが、これも1時間半でまとめるという制約からか、パーティーに参加したメンバー同士がどういう関係なのか、犯人の動機は一体何なのかが非常にわかりづらい。
予備知識なしで見て、犯人が誰だか指摘出来る視聴者は少ないだろう(まぁ、ある意味では、ロクに見ていなくても見当が付くとは言えるのだが)。
それでも最後のポワロの長広舌まで、しっかりと楽しむことが出来るのは作品自体は丁寧に作られているからだろう。