<平成ウルトラシリーズ>を再編集・再構成した『ウルトラマンダイナ』総集編です。
これまでも番組の放送期間中に劇場用作品が作られたことはありましたが、その際にはTVシリーズの1エピソードそのままか、前後編を繋いで公開されていましたので、映画用に完全にオリジナルで作り上げたのはシリーズ始まって以来の快挙。
更に付け加えるならば、物語が前番組『ティガ』に直結(一応最終回からは7年後ということになっていますが)しているのもシリーズでは初めてです。
従来ですと例えば『ウルトラマンA』の後番組『ウルトラマンタロウ』は、『A』までのシリーズの流れは受け継いでいるものの(ウルトラマンやセブン、エースらも認知されている)、世界観そのものは共有されていませんでした。
『A』の時の防衛組織TACと『タロウ』でのZATに人的交流はありませんし、前番組でのエピソードやキャラクターが再登場することもありません(ウルトラ兄弟や人気怪獣は別です)。
パラレルワールド的世界での続編といった雰囲気だったわけですが、この『ダイナ』は完全に『ティガ』を踏まえて作られているのです。
そのため世界観は大きく広がった反面、『ティガ』を観ていないと『ダイナ』は若干わかりづらいという弊害もありましたが。
このDVDも『ティガ』同様60分で一年分をまとめていますが、ナレーションをスーパーGUTSのユミムラ・リョウ隊員役だった斉藤りさが担当し、リョウの視点で物語を振り返るという内容になっています。
選択されているエピソードも1・2話と最終回三部作が中心で、個々の隊員にスポットを当てたエピソードも殆ど割愛され、アスカ・シン=ウルトラマンダイナの活躍と成長を中心にまとめられています。
構成は長谷川圭一、編集に松木朗、監督は小中和哉というスタッフ。
『ウルトラマンダイナ』という番組がどれだけバラエティに富んだものだったか、という部分は掴めませんし、スーパーGUTSのメンバー達も影が薄いのも残念ですが、これはこれで見易いものになっていますし、クライマックスに向けての盛り上がりはトータル60分という短さを感じさせません。
また放送当時は『ティガ』に比べて一歩も二歩も見劣りのする印象だった『ダイナ』も、やはり熱気のこもった作品だったのだなぁという記憶が甦ってきました。
個人的には<平成シリーズ>に一番思い入れを持っていた時期の作品だっただけに尚更です。