「
名優ピーター・ユスチノフが、当たり役エルキュール・ポワロを演じた通算第4作。」とジャケットにはあります。
ビデオリリースの順番からするとそうかも知れませんが、実際には3作目ではないかと思われるTVムービー版です。
先に見た
『三幕の殺人』や
『死者のあやまち』と同じスタッフで作られた作品で(こちらが先に作られているようですが)、ジョナサン・セシルが3作共通でヘイスティングスを演じています。
ひょんなことから女優のジェーン・ウィルキンソンと知り合ったポワロは、彼女から離婚に応じない夫エッジウェア卿を説得して欲しいと頼まれてしまいます。
ポワロはエッジウェア卿に会うのですが、卿からは半年も前に承諾の手紙を書いたことを聞かされ訝しがります。
そしてその晩、卿は何者かに殺害され、現場ではジェーンの姿が目撃されるのですが、彼女にはアリバイがあり、どうやらそれは彼女そっくりの物真似タレント、カーロッタだったらしいことがわかります。
しかし今度はそのカーロッタまで不自然な死を遂げてしまうのです。
エッジウェア卿の娘をはじめ、卿の死を望んでいた人間は多くいましたが、その誰もがアリバイを持っているという中で、ポワロの”灰色の脳細胞”が導き出した真犯人とは…?
原作はアガサ・クリスティーの
『エッジウェア卿の死』。
フェイ・ダナウェイがジェーンとカーロッタの二役を演じ、堂々たる存在感を見せています。
ダイアン・キートンやビル・ナイ、アマンダ・ペイズらが脇を固めていますが、面白いのはジャップ警部をデビット・スーシェが演じていることでしょうか。
スーシェはその後、イギリス製作のTVシリーズでずっとポワロを演じ続けているからで、新旧二人のポワロの共演ということになります。
犯人の正体に関してはあまり意外ではありませんでしたが、その動機についてはちょっとわかりづらいですね。
その辺りは原作を読むと得心が行くのでしょうか。