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『古時計の秘密』<ナンシー・ドルー・ミステリ>1 キャロリン・キーン

親切でお金持ちの老人が亡くなり、強欲な親戚一家がその遺産を独り占めしようとしているらしい。ひょんなことからナンシーは、生前の老人から援助を受けており、老人の死と共に貧困生活で苦しんでいる人々と知り合い、老人は彼らに遺産を残しているはずだと確信。遺言状探しに奔走する、というお話。

『古時計の秘密』<ナンシー・ドルー・ミステリ>1 キャロリン・キーン_e0033570_21441728.jpg80年近く前に誕生して以来、アメリカでは今でも新作が発表され続けているという<少女探偵ナンシー・ドルー>シリーズの第一作。
少女と言っても18歳の彼女は、著名な弁護士である父の仕事を手伝っているという設定なので立派な社会人。「正義感が強く好奇心が旺盛」で「行動力抜群」の少女が、「大人顔負けの活躍で事件を解決する」という宣伝文句のイメージとはちょっと違うけれど、変に期待をしなければOKだろう。
殺伐とした場面はなく、プロットも入り組むことなく単純、そして主人公が優等生過ぎる点が今日では物足りないが、健全なお子さま向けとして大事なことだ。

過去にもTVドラマや映画化されていたこのシリーズ、昨年夏には新作映画も作られている。
日本でも昨年から今年にかけて劇場公開が予定されていたのだが、結局は立ち消え・・・と思っていたらいつの間にかDVDのリリースが告知されていた。
ビデオスルーになってしまったか・・・。ということは出来は推して知るべし、ということなんだろうか。
Commented by よろづ屋TOM at 2008-04-14 01:08 x
創元推理文庫…ですよね。やたらかーいー表紙絵はイマドキのライトノベルみたいですが。しかも舞台が80年前とは!時代背景的にすごく興味をそそられます。もしかしてこれ、吾妻ひでお御用達の『女王陛下のプティ・アンジェ』の原典とか?
Commented by odin2099 at 2008-04-14 23:14
このイラストだと「萌え萌え系の美少女」という感じですが、実際に読んで浮かんだイメージは「溌剌としたお姉さん系」でした(苦笑)。
オープンカーを乗り回すかなりアクティブなキャラクターですし。
また別の出版社からは抄訳版というか、リライトされたものなのかな、別ヴァージョンも発売されていますね。

80年前の作品なんですが、少なくてもこの作品を読む限りではさほど違和感ありませんでした。
同じ頃に書かれた「少年探偵団」などは今読むと時代の差を如実に感じますけど、翻訳だからなんでしょうかね。

>『プティ・アンジェ』

うーん、どうでしょうねー?
関係なさそうですけど、あの作品の製作は日本アニメだから、スタッフの中には意識していた人もいたのかも。
TVドラマ版もその頃に放送していたそうだし。
でも、この『ナンシー・ドルー』、実際に日本ではどのくらい知名度があったのやら。
Commented by crann at 2008-04-25 19:07
新シリーズのナンシー・ドルーも出ていますよね。とっても現代的なナンシーで、ボーイフレンド?がいます。
昔の硬い表紙のナンシー・ドルーは、秋元文庫の海外翻訳小説とともに60年代のアメリカンな匂いがしました♪
そうそう、テレビドラマの「愉快なフレディ家」も同じイメージです。
そういえば、ナンシーの兄弟版?というのか、なんとか・ブラザーというシリーズもありませんでしたっけ?
Commented by odin2099 at 2008-04-25 22:31
>crannさん

金の星社のフォア文庫から出ているのが新シリーズの翻訳のようですね。でもこのお話と同じものもラインナップされているみたいなので、読み比べてみたいなぁ、などと考えております。
他の作品については良く知らないのですが、TVドラマを放送する際に別シリーズと抱き合わせだったようなので、そちらのことでしょうか。
いずれにせよ、またシリーズ物に手を出してしまいました。段々と収拾が付かなくなっております(いや、もうとっくか)。
by odin2099 | 2008-04-13 21:49 | | Trackback | Comments(4)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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