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『ピアノ・エスプレッシーヴォ』 松本あすか

これはもう完全にジャケット買いです。CDショップの店頭で見かけて、「おっ!」と思って手にとり、そのまんまレジに持って行きました(やや大げさ)。彼女がどんなキャリアを積んでいて、どういうジャンルの曲を演奏するかとか、そういった予備知識は一切ナシ、しかも裏ジャケットの収録曲目さえロクに目を通していないという、我ながらアッパレな豪快さ。
買ってからゆっくりと裏をひっくり返し、ムソルグスキーの「展覧会の絵」だとか、ショパンの「幻想即興曲」、ベートーヴェンの「エリーゼのために」、モーツァルト「トルコ行進曲」、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、J.S.バッハの「インベンション」、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」等々、クラシックの曲名がズラズラ並んでいて安堵した次第。
中には彼女のオリジナル曲や、スクリャービンの「エチュード」、ミヨーの「組曲スカラムーシュ」などというマイナーな曲もありましたが、また新しい”期待の若手”とやらが出てきたんだなぁ程度の認識でした。

『ピアノ・エスプレッシーヴォ』 松本あすか_e0033570_2261355.jpgところが聴いてみてビックリ。「うわっ、なんだこりゃ?!」てなものです。正統派クラシック音楽の新星なのかと思いきや、これではまるでジャズですねぇ。

帯には「躍動感あふれる表情豊かな演奏と多彩なアレンジで綴る、新しいピアノの世界」とありまして、更に「クラシックにグルーヴ!」とまで書かれています。
プロフィールを見ますと、彼女はクラシック畑出身ではあるものの、一時期クラシックからは離れ、ジャズやポップスのジャンルで活躍した後に再度クラシックへ戻ってきたというユニークな経歴の持ち主。知らないで聴けば、これがクラシック曲だとは思わないだろう斬新なアレンジも、そういった経歴を踏まえた上で聴けば納得です。
音楽ジャンルのボーダーレス化が進行中の現在ですが、彼女のような存在がますます枠組みを取っ払って行くんでしょうね。アルバム1枚では「風変わりなピアニスト」で終ってしまいますので、今後の活躍にも期待です。

またweb上で動画も観たのですが、所謂”アニメ声”の持ち主なんですね、彼女。それにお姉さんもピアニストで、これまた美人なので二度ビックリ。
by odin2099 | 2008-05-11 22:08 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur