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『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』(1992)

93歳になったインディアナ・ジョーンズが、若かりし頃を回想するという形で展開される、映画三部作終了後に作られた新たな冒険譚。
インディを使った歴史教育ソフトを作ろう、20世紀初頭の歴史をインディを通して学ぶことが出来たら、というジョージ・ルーカスの発想から生まれ、内容に応じて8~10歳のインディもしくは16~21歳のインディのどちらかが、近現代史を飾る様々な著名人と邂逅するというTVシリーズです。

TVという規模を超えた予算を投入し、映画並みの製作体制を敷き、そして主人公が少年インディと青年インディの二人もいる、という具合にかなり画期的かつ意欲的な作品で、日本でもTV放映されたり、ビデオやLDが発売されたりしましたが(『アドベンチャー・オブ・ヤング・インディ・ジョーンズ』という題名でもビデオ・リリースされています)、結局20本以上作られたエピソードの全ては未だに紹介されていません。
本国でも視聴率が奮わずに苦戦を強いられたようですが、やはり盟友スティーブン・スピルバーグが鳴り物入りで製作したTVシリーズ『世にも不思議なアメージング・ストーリー』も惨敗したことを考えると、稀代のヒットメーカーのルーカス&スピルバーグと言えども、TVは鬼門なのかも知れませんね。

今回観直したのはその第1話、所謂<パイロット>と呼ばれる作品です。
『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』(1992)_e0033570_1122825.jpgアメリカのTVドラマは、先ず春先や夏場にパイロット版を作って放送し、その評判が良ければシリーズの製作にゴー・サインが出、秋から放送がスタートするというパターンが一般的のようで、またこのパイロットの反応を見ながら、キャラクターを手直ししたり、設定を見直したりすることも行われます。
シリーズ化となれば週一回1時間の枠で放送されるドラマでも、パイロット版は2時間枠で作られることも少なくなく、日本でもそういった作品がTVの映画放送枠で放送されたり、ビデオ発売されることも多々あります”劇場未公開作品”の中には、結局シリーズ化されずに終ったパイロット版も多いのです。

この作品も通常の放送枠よりも長尺となっていて、少年インディと青年インディが両方登場するという豪華版。
当初は日本での劇場公開も予定されていたようですが、結局は実現しませんでした。
単独で「日曜洋画劇場」枠で放送されたこともあります(ということで、個人的にはTVドラマの1エピソードというよりも劇場未公開作品扱いです)。
 
1908年のエジプトで、インディは後の”アラビアのロレンス”ことT.E.ロレンスと出会い、王家の谷の発掘現場で<ジャッカルの像>を巡る殺人事件に遭遇します。
そして時は流れて1916年、メキシコを旅行中にひょんなことからパンチョ・ビリャの革命軍に参加することになりますが、そこで失われた<ジャッカル像>に再び巡り合い、殺人事件の犯人とも再会する、というのがこのパイロット版のストーリー。

それぞれ全く無関係のお話を<ジャッカル像>で無理矢理繋げた印象が強く、一本の作品として観た場合の完成度には疑問が残りますが、二人のインディが主人公だというシリーズのフォーマットの紹介は上手く行っていると思います。
実を言うとこのシリーズ、このパイロット版だけ何度か観ていますが、他のエピソードは未見です。
ただシリーズがどんな雰囲気なのかは、この一本で充分伝わるのではないかと思います。

ロレンスが果たしてハワード・カーターの元で王家の谷の発掘に参加したことがあったのか、或いはJ.J.パーシング率いるビリャ討伐隊に後のパットン将軍、G.S.パットンがいたのか等々の細かい歴史的事実は知りませんが、「爺さんのホラ話」として受け止めることが出来るようにもなっていますので、話半分に楽しんでおくのが良いのでしょう。

3人のインディを演じているのは、年齢の若い順にコーリー・キャリアー、ショーン・パトリック・フラナリー、そしてジョージ・ホール。
映画版を含めれば間にリバー・フェニックスを挿むことになりますが、どうにもハリソン・フォードのイメージとは結びつかないと思っているのは自分だけでしょうか。
ロイド・オーウェンが演じているインディの父・ヘンリー・ジョーンズ教授も、ショーン・コネリーの若い頃と考えると随分イメージが違いますね。

かように「インディらしさ」の感じられない作品なのですが、御馴染みジョン・ウィリアムズ作曲の「レイダース・マーチ(インディのテーマ)」が、このシリーズでは流れないのもその一因でしょうか。
ローレンス・ローゼンタールが手掛けた「ヤング・インディのテーマ」も悪くはないのですが、キャラクターのイメージを統一する意味でもチラっとでも流してもらえれば、「ああ、インディが帰ってきたんだな」と受け入れられたのではないかと思うのですがねぇ。
ハリソン・フォードが特別出演したエピソードも作られたようですが、それでも人気は快復出来なかったようです。

ただ、インディというキャラクターを深く味わうためには是非ともこのシリーズをきちんと観ておきたいのですが、それもなかなか思うようにはなりません。
本国では映画4作目の公開に合わせ、このTVシリーズもDVD-BOX化がされたのですが、どうやら日本版の発売は見送られてしまったという話です。
いよいよ日本公開も近付いてきましたので、何とか国内メーカーにも再検討をお願いしたいですね。

ところで新作公開に合せて旧作のTV放映が行われていますが、相変わらず連携が取れていないというか何と言うか…。
昨夜(13日)に日本テレビの「金曜ロードショー」で2作目の『魔宮の伝説』が放送されましたが、今後のスケジュールは明日(15日)にテレビ朝日「日曜洋画劇場」で3作目の『最後の聖戦』を放送し、更に22日に1作目の『レイダース』を放送する予定だとか。
製作順なら当然1、2、3の順番ですし、時系列順なら2、1、3となります。
2、3、1なんて、何の意味もないと思うのですが、TV局の編成の方はどうお考えだったのでしょうか?

by odin2099 | 2008-06-14 01:14 | テレビ | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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