『SF英雄群像/スペース・オペラへの招待』 野田昌宏
2008年 06月 26日
1930年代、40年代のアメリカのパルプ雑誌を彩った数々のヒーローを、日本で本格的に紹介した初めての本ということで、紹介されているのはエドガー・ライス・バロウズ<火星シリーズ>、フィリップ・フランシス・ノウラン<バック・ロジャース>、ニール・R・ジョーンズ<ジェイムスン教授シリーズ>、E・E・スミス<スカイラーク・シリーズ>、<レンズマン・シリーズ>、C・L・ムーア<ノースウェスト・スミス・シリーズ>、アーサー・K・バーンズ<ゲリー・カーライル・シリーズ>、そしてエドモンド・ハミルトン<キャプテン・フューチャー・シリーズ>ら錚々たる顔触れ。
単行本として出版されたのが1969年、文庫になったのが1979年、自分がそれを買ったのが13~4年前だけれども、今でも現役で書店の店頭に並んでいるというロングセラー。そもそもは1963年から65年にかけて、「SFマガジン」誌に連載されていたコラムが元になっているというのですから恐れ入ります。自分、生まれてないや・・・ということもありますが、その頃にこれらのヒーローたちの名前を知っていた日本人の読者というのはどれくらいいたのでしょう? この本に影響されたSF作家や関係者は数多いと言われていますが、宜なるかな。また続々とこれらシリーズの翻訳本が出版されるようになったのも、この本の存在あればこそ、でしょうね。
単純にこの本を読んでも面白いですし、やっぱり作品そのものを読みたくなってきます。