『ドーバー海峡殺人事件』(1984)
2008年 06月 28日
監督はデスモンド・デービス。

クリスティーの映画化というと「オールスター・キャストの華やかなもの」というのが定番だが、この作品の出演者はドナルド・サザーランドを筆頭に、フェイ・ダナウェイ、クリストファー・プラマー、サラ・マイルズ、ダイアナ・クイック、イアン・マクシェーン、アネット・クロスビーという具合にかなり渋いもの。ポワロやマープルといった名探偵も登場せず、主人公は大学教授の素人探偵で、展開もかなり地味である。そして画面も暗く、邦題の如きスケールの大きな超大作ではないし、モダン・ジャズを使った音楽も、画面を盛り上げているとは言いがたい。
ということもあってか、この作品を観るのは初めてじゃないにも関わらず、ストーリーは全くと言って良いほど覚えていなかった。
その分、犯人探しの楽しみは再び味わうことが出来たのだけれども、何となく後味の悪い結末といい、面白かったとはとても言えそうもない。聞けば原作小説とはかなり趣を異にしているとのことなので、先ずはそちらを読まねば。