『未来少年コナン/特別篇~巨大機ギガントの復活!~』(1984)
2008年 07月 22日
それでも、なかなか再放送してくれないNHKの態度に業を煮やした(?)ファンからの要望で実現した劇場版が、オリジナル作品を見るも無残に切り刻んだものだった(とファンには思えるのでしょう)が為に、今では「無かった」ことにされていることは周知のこと。
中でもクライマックスを盛り上げた(であろう)巨大機ギガントを巡っての一大アクション・シークエンスが、ものの見事にバッサリと切り落とされたことに不満を漏らすファンが決して少なくなかったことは想像に難くありません。
それにしても、何故この作品が唐突に作られたのかは謎です。
この作品、『超人ロック』の併映作として松竹系で公開された訳ですが、何故『ロック』一本立てではいけなかったのでしょう?
『ロック』だけでは興行的に不安を感じたので、言ってみれば保険やら担保やらの感覚で、同じ製作会社の作品で知名度のある『コナン』を無理矢理担ぎ出すことを、製作側・配給側何れかから提案したのでしょうか。
それとも同日公開となった宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』へ、肖ろうとしたのでしょうか、或いは対抗しようとしたのでしょうか。
…あの~、今なんですけれどぉ…?
これの前のヤツかな。なんせビデオとかまだない時代でしたので、もう一度コナンが観られるのなら…と友人と連れだって私も劇場版行きました。もちろん「あー、やっぱしこんなもんか」って劇場を出てきましたけど。
本放送、ちょうど修学旅行にぶつかって、宮崎の旅館で14インチのテレビをアニメファン数人で占拠し取り囲んで観たことが忘れられません。
なんと、エクスカリバーさんはコナンをご覧でなかったのですか?不遇だなんて、なんのなんの。
当時の革新的アニメ雑誌『フィルム1/24』や『月刊アニメーション』などでも現場やファンのみんなで落書きしまくってて、「次のファンサービス、何にします?」「めんどくさい、セル画でもつけとけ」「これではまるっきりヤマトではないか!」と自虐的な笑いで達観していたことを思うと、案外作品に対する高くて強い信頼から、映画なんてドーでもいいと思っていた感があります。
だからホントにファンの要望で映画化されたの?ってみんなで顔を見合わせていた記憶もあるほど。
ちなみに今BS11?で再放送してるのを観ていて、やっぱりコナンはこっちやなー、って実感しているところです。
これはビデオで見ましたが、とってつけたような映画でしたね。
コナンは好きだし、あれを映画版へ編集するなんて無謀なことするのは、ファンを冒涜してます。
本放送のDVDを購入してよかったです。
コナンは、ちゃんと26話として見ないと、素晴らしさが分かりませんよ。
『コナン』に関しては、劇場版の項でコメントしていますが、NHKではなかなか再放送されず、ファンの後押しで映画化されたと思ったらズタボロで、民放各局で放送した際にはカットされたり、それでも製作の日本アニメーションは自社の代表作として商売に使う・・・というのは、結構不遇だと思うのですが。送り手側からは、あまり「作品」として大事にされていなかったのかな、と穿った見方をしてしまいます。
スミマセン、お待たせいたしました!(苦笑)
2本の映画を観ただけで、『コナン』を観た気になっちゃいけませんよね。
といってもいきなりDVD揃えるのも無謀かな~と思いますので、先ずはレンタル屋さん通いからかな。
ただ、当時の作画用紙への落書きとかを読んでゆくと、今と違って当時はアニメーター達も作品に対して未練を持ったところで、所詮商魂たくましいプロデューサーとかに利用されるだけだとあきらめていたフシが感じられるんです。宮さんも含めて。
むしろ作品の本当の姿は、作り手とファンの記憶にのみ生きていればいいかな、という悟りというか諦めもあったように思うのですよ。
「哀しいけど、これ、戦争(仕事)なのよね」ぢゃないですけどね。
作り手と受け手に、今ほどのコミュニケーションというのかな、情報のキャッチボールがなかったから、逆に作り手としてはプライドを持って仕事に臨んでいたのかも知れません。