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『カリオストロ伯爵夫人』 モ-リス・ルブラン

モーリス・ルブランが生み出した怪盗紳士ルパン・シリーズの一篇ですが、「ルパン」に「カリオストロ」と来ると違う作品を思い浮かべる人の方が多いかも知れません。なんせルパンの恋人となる少女の名前が「クラリス」ですから。

しかしこちらは正真正銘、本家本元、元祖アルセーヌ・ルパンの冒険譚。
シリーズ後期の作品ですが、内容はまだラウール・ダンドレジーを名乗っていた頃の若きルパンが、”カリオストロ伯爵夫人”を僭称する謎めいた美女ジョゼフィーヌ・バルサモと冒険を共にし、そして宿命の対決を繰り広げるという、云わば<ルパン・サーガ>の”エピソード1”的な位置付けの物語です。

『カリオストロ伯爵夫人』 モ-リス・ルブラン_e0033570_2157491.jpgよくあちらの作品の元ネタという紹介のされ方をしていますが、キャラクターの名称を除けばこれといって共通点はありません。あの手の作品を期待した人はガッカリするかも知れませんね。クラリスも、物語内での存在感は強いものの、それほど出番はありませんし。

しかしこの作品の二転三転の謎解きは楽しめますし、何と言ってもジョジーヌが魅力的です。単に”悪女”では片付けられない多面的な魅力は、作中でも何人かの男たちが危険を知りつつも惹かれていきますが、然もありなん。ルパンならずとも虜になってしまいます。

2004年に製作された映画『ルパン』は、一応この作品が原作となっていますが、お話は随分変ってますね。
まぁそれは良いのですが(良いのか?/苦笑)、それよりも気になるのはキャストの方で、ルパン役のロマン・デュリス、クラリス役のエヴァ・グリーン、そして”カリオストロ伯爵夫人”のクリスティン=スコット・トーマス、何れも自分のイメージからは遠かったのですが、熱心なファンには納得のキャスティングだったのでしょうか?
by odin2099 | 2008-07-30 22:02 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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