『カリオストロ伯爵夫人』 モ-リス・ルブラン
2008年 07月 30日
しかしこちらは正真正銘、本家本元、元祖アルセーヌ・ルパンの冒険譚。
シリーズ後期の作品ですが、内容はまだラウール・ダンドレジーを名乗っていた頃の若きルパンが、”カリオストロ伯爵夫人”を僭称する謎めいた美女ジョゼフィーヌ・バルサモと冒険を共にし、そして宿命の対決を繰り広げるという、云わば<ルパン・サーガ>の”エピソード1”的な位置付けの物語です。

しかしこの作品の二転三転の謎解きは楽しめますし、何と言ってもジョジーヌが魅力的です。単に”悪女”では片付けられない多面的な魅力は、作中でも何人かの男たちが危険を知りつつも惹かれていきますが、然もありなん。ルパンならずとも虜になってしまいます。
2004年に製作された映画『ルパン』は、一応この作品が原作となっていますが、お話は随分変ってますね。
まぁそれは良いのですが(良いのか?/苦笑)、それよりも気になるのはキャストの方で、ルパン役のロマン・デュリス、クラリス役のエヴァ・グリーン、そして”カリオストロ伯爵夫人”のクリスティン=スコット・トーマス、何れも自分のイメージからは遠かったのですが、熱心なファンには納得のキャスティングだったのでしょうか?