『宇宙空母ブルーノア/若き獅子たちの誕生』(1979)
2008年 08月 04日
反重力エンジンを装備することで、宇宙航行も可能になるブルーノア。その為にエンジンを建造中のバミューダ海域にある研究施設を目指すのだが、その行く手にはゴドムの攻撃部隊が待ち受けていた・・・!
あの西崎プロデューサーが手掛けたポスト『ヤマト』の一番手。

自らのポジションについては「原作者」と位置付けていましたが、逆に言えばそれほど真剣に取り組んではいないってことですか???
とはいうものの、第1話は2時間枠のテレ・フューチャーとして製作(今回観直したのはコレ。地方局や再放送の際には4話に分割して放送したそうな)。
「30分で全ての設定を説明しようとしたこれまでのやり方に無理があった」というのは至極ご尤もで、アメリカのTVドラマには良くある手法ですが、日本の、しかもアニメとしては異例中の異例。かなりの意気込みが感じられます。
それに放送開始前には「この作品がアニメーションへの最後の賭けで、これに失敗したら二度とアニメは手掛けない」などという力強いコメントも残していましたっけ。やっぱり本気だったのでしょうね。
でも「戦艦」じゃなくて「空母」とはいえ、艦首には最終の決め手となる大型兵器(反陽子砲)を装備してるなんざ、『ヤマト』を念頭においてるとしか思えません。
ゴドム人の設定は初期ガミラス人風ですし、地球上の諸都市の風景やブルーノア艦内のデザインも、どことなくヤマトっぽく見えてしまいます。
時期的には『宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち』と『ヤマトよ永遠に』の間に作られた作品ですが、スタッフも『ヤマト』と共通。比較して欲しくないのならば、もっと思い切って入れ替えても良かったんじゃないでしょうかね。
音楽も平尾昌晃、船山基紀、そして宮川泰の3人がクレジットされる豪華版ですが、これも『ヤマト』色を払拭するつもりならば宮川センセ抜きにすべきでしょう。まぁ結果的には素晴らしい楽曲が生まれてはいるのですが。
それに「”宇宙”空母」なのに「”海洋”ロマン」?というのも不思議な話。
まぁこれは乱暴な言い方をすれば、自身の代表作『海のトリトン』+『宇宙戦艦ヤマト』と考えれば不思議でもなんでもないのかも知れません。
キャラクター・デザイナーも『トリトン』と同じ人だったし。
また日下真をはじめとする主人公たちも、ブルーノアの正規の乗組員ではなく、搭載されている小型潜水艦シイラの搭乗員。何となく主役メカの存在感も薄いんですよね。
ともあれ結局は『ヤマト』の二番煎じとしか受け止められず、今となっては知る人ぞ知る、という作品になってしまっています。
ただ、ここまでボロクソ言ってる割には好きな、というか放っとけない作品でして、自分が弁護しなきゃ一体誰が弁護するんだ?!てな熱い思いがこみ上げてきます(笑)。
まだまだ言いたいこと、書きたいこともありますので、これを機会に全話観直してみようかなぁ。
・・・やっぱりやめておこうかな。想い出は想い出として、美しいままにしておいた方が良いのかも(苦笑)。
一応見てましたが、とにかくイキナリ宇宙人の侵略、ってのでもう私ら「またかいな」でしたので…
ところでこのブルーノア、どのくらいの大きさだったんでしょうね?展開した飛行甲板と航空機(どんなデザインだったか全然覚えてませんが)の関係がヤマトの“四次元格納庫”なみだったことをかんがみまして。
でもプラモデルが当時としては実にイイ出来で、再現度の低いヤマトのシリーズよりずっとよかったんですよね。ちゃんとシイラもナントカいうエンジン部分の飛行体も分離するし、飛行甲板もたためて水中形態になるし。
ヤマトなんて100円(200円やったかしら)のやつが一番よくできたフォルムだったことを思えば秀逸でした。あ。川崎真世の主題歌シングル持ってますよ。歌は下手でも曲はよかったもんねー。
スタッフもキャストも豪華なのですが、製作スケジュールはフォロー出来なかったようで、出来はかなりお寒いものでしたが。
また、まだまだ書きたい話題は色々あるんですよね。
主役や主題歌歌手変更の話だとか、別スタッフで進められていた企画書の話とか。
ま、2話以降を観直す気になったら、サイト内かなんかでまたカキコするかも知れません。

浮上して飛行甲板を開くシーンが大好きでした。
同一世界に設定された、ということではないと思いますが、リンクしたらと考えるとちょっと愉しくなりました。

「企画・原案・製作」で「総指揮」の抜けた西崎Pのポジション、本人曰く「一般的な原作者」とのことでしたが、どれくらい本腰を入れていたのか。
業務提携?をしていた関係で、東映・東映動画のスタッフも参加してましたが、結局はいつものアカデミー・クオリティでしたね。
本格的にリメイクしてみても面白いとは思いますが。