放送終了後20年近くを経た今でも、多くの熱狂的ファンを持つSFドラマ『ギャラクシー・クエスト』。
その後は泣かず飛ばずの出演者たちだが、今日もファン大会が開かれ、ゲストとして参加していた。
ただこの番組を熱心に観ていたのは地球人だけではなかった。
ドラマではなく本物の記録映像だと信じこんだ異星人たちが、自分たちの星を侵略者から守って欲しいと助けを求めてやってきたのだ。
はじめは冗談だと思っていた出演者たちだったが、ドンドンと事態は進行し、遂には本物の星間戦争に巻き込まれることに…!

この『ギャラクシー・クエスト』という番組の設定は、勿論あの『スター・トレック』を意識したもので、番組を取り巻くファンのムーブメントや出演者たちのその後の境遇など、現実も上手く取り入れられている。
キャラクターと同一視されて困惑したり、熱心なファンに絡まれ議論を吹っかけられたり、役のイメージが強すぎて仕事の幅が狭まったりと、実際の『スター・トレック』出演者たちも似たような経験はしてるはず。
そして作品にのめり込むあまり、一生を作品に捧げたり、現実生活が破綻してしまったファンも少なくないのも確かだろう。
しかしこの作品は単純に『スター・トレック』を茶化してるわけでも、ネガティブに描いているわけでもなく、全体的に愛が感じられる作りになっているのが好ましい。
次第に使命感に目覚め変貌して行く出演者たちという描写が素晴らしく、そして彼らを救うのがファンの少年たちというのも嬉しいかぎりだ。
そういえば本家のスタッフやキャストから、抗議の声が上がったという話も聞かない。
出演者の格からいうと、申し訳ないけれども
本家以上。
主役のティム・アレンはチャランポランで女好きという役どころだが、これが段々とウィリアム・シャトナー(というかカーク船長というべきか)に見えてくるから不思議だ。
何気ない仕草などにも研究の後が覗える。
シェークスピア俳優だというプライドに凝り固まり不満タラタラ、という役を演じたアラン・リックマンも好演している(こちらはMr.スポックことレナード・ニモイの役どころか?)が、何といっても驚きなのはシガニー・ウィーバー。
グラマーなだけが取柄だと思われてウンザリしているという役なのだが、よくこんな役を引き受けたもんだという感じである。
それにしても、これのオリジナル(という設定の)TVシリーズ版『ギャラクシー・クエスト』、設定だけに留めておくのは勿体無い気も。
このキャストそのまんまはまず不可能だろうけれど、それでも独自に観てみたいものだ。
何話分か、ホントに作ってみないかなぁ。