『トータル・フィアーズ』(2002)
2008年 08月 12日
原作『恐怖の総和』はシリーズ5作目だが、ライアン役はアレック・ボールドウィン、ハリソン・フォードから3代目ベン・アフレックにバトンタッチしたのに伴い設定をリセット。
原作からはシチュエーションを借りた程度で、シリーズの新1作目といった按配で、複雑な人間関係も極力オミット。原作ではライアンの敵役とも言える存在のCIA長官キャボットをライアンの導師にするなど、これまでのシリーズの流れを知らなくても(知らない方が?)楽しめる一篇に仕上がっている。
映画ではアクション・ヒーローとしての側面が強いライアンだが、実はCIA所属でも現場要員ではなく分析官(アナリスト)。ということで、アクション物の主人公としてはともかく、インテリジェンスを感じさせる役どころとしてベン・アフレックはどうなのかと当初は不安を感じていたのだが、この作品を見る限り結構いける。ハリソン・フォードには不満を持っていた原作者のクランシーも、アフレックには合格点を与えているようだ。
そしてライアン=アフレックを支えたキャボット役のモーガン・フリーマン、ジョン・クラーク役のリーヴ・シュレイバーらの好演も光っている。
ただ核爆発の最中、走り回るライアンがその後何事もなく振舞っているのは、被爆国の国民ならずとも違和感が残ってしまう。アメリカの娯楽映画には珍しくない描写とはいえ、アメリカ人は核兵器に対する認識が甘すぎないか?!
後はこの邦題。
原題(”THE SUM OF ALL FEARS”)のカタカナ化ならまだ納得出来るが、「トータル・フィアーズ」では何のことやら意味不明だ。
タイトル トータル・フィアーズ ---感想--- トム・クランシーの『恐怖の総和』を元に映画化。原作でのジャックは、既にCIA情報担当副長官になっているが、映画でのジャックは駆け出しのCIA分析官となっている。また、キャシーとも結婚しておらず、まだ恋人同士という設定。 東西冷戦が終結してから久しいが、それ以来テクノスリラーの世界は困っているに違いない。冷戦この時代であれば間違いなく旧ソ連を敵役にすれば物語が成り立ったが、冷戦が終結して以来、敵役の座は、中東の独裁者やネオナチなどのテロ組織になり、実...... more
トム・クランシーのベストセラー作品の映画化第4弾。主人公のCIAアナリスト、ジャック・ライアンにはアレック・ボールドウィン、ハリソン・フォードに続いて3代目のベン・アフレック。若き日のライアンなのぎ..... more
制作年:2002年 制作国:アメリカ 上映メディア:劇場公開 上映時間:124分 原作:トム・クランシー著「恐怖の総裁」 配給:パイオニアLDC 監督:フィル・アンデン・ロビンソン 主演:ベン・アフレック モーガン・フリーマン リーヴ・シュレイバー アメリカ本土で核爆発が起こり20万人が一瞬に消滅…。世界滅 亡の危機に、ジャック・ライアンが立ち向かう。 ... more
ジャック・ライアンシリーズは全作観ているが、毎回見所が違う。1作目は潜水艦もの、2作目はテロリストもの、3作目でやっと政治スリラーになった。本作はついに、2大国の全面核戦争の恐怖だ。... more
実は、中国からExciteブログにはアクセスできないのです。
中国サイドが制限をかけているのか、Exciteブログサイドが中国IPをはじいているのかはわからないんですが・・・。
なので、TBいただいたものには、「返信」機能でお返しをさせていただくことができるのですが、なかなかお邪魔できずにおりました。申し訳ありません。
そういった事情をお伝えしたくて、ヒミツの裏技を使ってお邪魔しました(笑)
が、あまり好ましくない方法なので、度々というわけにはいかないのです。
そんな状況ですので、今後もほとんどお邪魔はできないかと思いますが、ご了承いただきますようお願いいたします。
この作品、私も「アメリカ人は核兵器に対する認識が甘すぎる」と思いました。
作品自体はけっこう面白いと思うんですけど、どうしてもその部分が気になってしまいます。