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『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』(1997)

主演アーノルド・シュワルツネッガー、という時点で何か間違ってる気がするシリーズ第4弾。監督はジョエル・シューマッカー続投だが、遂にクレジットからティム・バートンの名前が消えた。

『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』(1997)_e0033570_23445517.jpgのっけからシュワちゃん扮するMr.フリーズが大暴れ。そこへ駆けつけたのが、前作ラストでコンビ結成となった我等がバットマン&ロビン!
・・・というのがタイトルバック。
もうオープニングから胃もたれ必至の濃厚さである。そして最後までこの調子で、スピーディーなのはいいけれど詰め込みすぎなんである。

名コンビ誕生か、と思われたバットマンとロビンは序盤からギクシャク。
バットマンってば「スーパーマンが一人でいたがる気持ちがわかる」なんて暴言を吐いちゃうし、新登場の悪女キャラ、ポイズン・アイビィの策略に嵌って、女の取り合いで仲違いしちゃうなんて、ヒーローもただの男とはねぇ・・・トホホ。
そういやスーパーマンといえば、当初この作品にTVドラマ『新スーパーマン/ロイス&クラーク』に主演していたディーン・ケインが、そのまんまクラーク・ケント役でゲスト出演と言われていたけれど、このセリフはその名残なのかな。
またそれと同様に、ティム・バートンの監督、ニコラス・ケイジの主演で企画されていた『スーパーマン・リボーン』(『スーパーマン・リヴス』のタイトルでも)には、初代バットマンのマイケル・キートンがやはり同じブルース・ウェインの役で出演する、なんて言われていたっけ。

それはさておきその一方で、重病で死の床にある執事のアルフレッドとブルース・ウェイン、あるいはディック・グレイソンとの情感溢れるやりとりもあり、そこへまたアルフレッドの姪バーバラも絡んでの家族ネタも描かれていて、ちょいとホロリとさせられる。

家族ネタといえばMr.フリーズも、重病の妻の命を救うための研究資金が必要で、それで悪事に手を染めたという過去があるという設定で、大スターのシュワちゃんに遠慮したのか、根っからの悪人じゃないんだよん、という卑怯な(?)キャラ。
せっかくターミネーター以来の悪役なんだから、同情される悪役なんかじゃなく、徹底的な悪役を演じさせなきゃつまんないと思うんだケドな。

で、その分ワリを食ったのがユマ・サーマン演じるポイズン・アイビィで、本来なら彼女こそ悲劇的な出自を持ってるはずなのに、シュワちゃんを陰で操る黒幕扱いにされてしまってる。その誕生の経緯は殆どキャット・ウーマンと同じなのに、その差はナンなんでしょう?

そしてもう一人の新登場キャラがバットガール。
バットマンにとってはロビンに次ぐ新たな仲間で、その正体は当然のようにバーバラだけれども、彼女がバットガールになる過程だってじっくりと描いて欲しかったもの。せっかくアリシア・シルバーストーン起用してるんだから。

かように具材は揃えたのに、味付けもそこそこに全部鍋にぶっこんでしまいました~!
という中途半端さが全編を覆っているのがこの映画だって気がしますね。
その最たるものが、いつのまにか3代目となってしまったブルース・ウェイン=バットマンを演じるジョージ・クルーニーかも。
プレイボーイの独身貴族というのはハマリ役(地?)かと思うけれど、億万長者のヒーローには見えないし、暗い過去があるようにも受け取れない。ということは、これはミス・キャストってことでしょうかね。

まぁなんだかんだで美味しく食べられることは食べられるんだけど、その後にはなーんにも残らないのが残念。
それでも癖のあるティム・バートン監督の1、2作目よりは、味は薄いけれどこっちの方が自分にとっては食べやすい。今回観直してみてもやっぱりそう思えた。

ただヒットはしなかったので、予定されていた5作目は凍結。アリシアのバットガール、もっと観たかったんだけどなぁ。
もっともバットマン役はまたもや交代という話で、4代目としてジョン・トラボルタとかカート・ラッセルとかピアース・ブロスナンとかブラット・ピットとかベン・アフレックとかの名前が取り沙汰されたりしたものの、結局は仕切り直しで『バットマン・ビギンズ』が製作され、4代目を襲名したのはクリスチャン・ベイルだったのはご存知の通り。
また残念ながら、シリーズ全てに出演していたアルフレッド役のマイケル・ガフと、ゴードン本部長のパット・ヒングルの二人も、仕切り直しということでお役御免に・・・。

ちなみにこの作品、ビデオやDVDは『BATMAN&ROBIN/Mr.フリーズの逆襲!!』『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲!』やら微妙に違ったタイトルで発売されとります。
いい加減、統一してくんないかなー?
Tracked from La.La.La at 2008-08-30 22:03
タイトル : 『バットマン&ロビン / フリーズの逆襲』
 制作年:1997年  制作国:アメリカ  上映メディア:劇場公開  上映時間:125分  原作:  配給:ワーナーホームビデオ  監督:ジョエル・シュマッカー  主演:ジョージ・クルーニ      クリス・オドネル      ユマ・サーマン      アリシア・シルバーストーン ”A FREEZE IS COMING!”すべてを氷づけに しようとする怪人Mr.フリーズがゴッサム・シティーに出現。 事もあろうに、誘惑フェロモンと猛毒キスを武器にするポイズン ・アイビ...... more
Tracked from 映画鑑賞★日記・・・ at 2008-08-31 17:50
タイトル : バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲
【BATMAN & ROBIN】1997/08/公開製作国:アメリカ監督:ジョエル・シューマカー出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジョージ・クルーニー、クリス・オドネル、ユマ・サーマン、アリシア・シルヴァーストーン、マイケル・ガフ... more
Tracked from まい・ふぇいばりっと・あ.. at 2011-01-01 13:04
タイトル : 『バットマン&ロビン』
NO.00468 サウンドトラック・アルバム『バットマン&ロビン』 (1997年) 映画『スーパーマン』の新作が話題です。 そこで『バットマン』です。(笑) しかも大 ...... more
Tracked from ダイターンクラッシュ!! at 2011-08-29 14:40
タイトル : バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲
2011年8月28日(日) 録画再生(BS プレミアム 2011年6月22日22:00放送) NHK BSプレミアムでのバットマン特集。 ティム・バートンが製作からいなくなり、ヴァル・キルマーは一回で去り、ジョージ・クルーニーがバットマン。 悪役がアーノルド・シュワルツェネッガーとユマ・サーマン。 バットガールが終盤に登場で、今は何をやっているのか検討もつかないアリシア・シルヴァーストーン。 ロビンは継続出演。 監督は、連続して何でも屋のジョエル・シュマッカーだが、前作といいアクション系には...... more
Tracked from 海外ドラマ☆SFワールド at 2012-09-20 23:35
タイトル : バットマン&ロビン Mr. フリーズの逆襲
バットマンがジョージ・クルーニーで、ロビンがクリス・オドネルだと今日たまたま知って早速観てみました。な、なんとジェイソン博士は『ヤング・スーパーマン』のライオネル、フリーズはアーノルド・シュワルツェネッガーなんですね。『NCIS:LA』でのクリス・オド...... more
by odin2099 | 2008-08-29 23:43 |  映画感想<ハ行> | Trackback(5) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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