『ティガ ダイナ & ウルトラマンガイア/超時空の大決戦』(1999)
2008年 09月 04日
TV番組として『ウルトラマンガイア』を放送している世界、つまり我々の住んでいる現実世界に、なんと本物のガイアがやってきた!以上、「しねま宝島」から引用しましたが、もうすぐ「ウルトラマン」の新作映画が公開されることもあって、何となく旧作を観たくなったので鑑賞。
――という大胆な設定でこの物語は始まる。
「怪獣なんか早く卒業しなさいっ!」とお母さんに怒られる少年の図というのは、この映画を見た「大きなお友達」にとっては、実に身につまされる光景だろう……。ところで、従来のウルトラシリーズというのは、繋がっているようないないような微妙な関係にあって、所謂パラレルワールドみたいなものだった(直結しているというには、あまりに世界が違いすぎるし)。
しかし『ウルトラマンティガ』スタートにあたっては、(ほぼ)完全に過去の流れを断ち切り独立した世界観を確立。
それに続く『ウルトラマンダイナ』は『ティガ』の続編、つまり完全な同一時間軸上で展開されているというのが特徴である(これはシリーズ初だ)。
ところがその後番組の『ガイア』では、またまた仕切り直しで新たな世界を設定してしまっているので、この3大ヒーローの競演にはかなりの苦心の跡がうかがえる。
世界観がまるで違うと言うことは、ティガとダイナを共演させたり、かつてのウルトラ兄弟集結のようにはいかないからだ。
そのために考え出されたのが、何でも願いのかなう赤い玉の存在。
そして『ティガ』&『ダイナ』世界でも『ガイア』世界でもない、我々のいる現実世界を舞台に選んだことである。
この玉を手に入れた少年がガイアを現実に登場させ、またピンチのガイアを助けるためにティガとダイナをも実体化させることにより、競演が可能になったのだ。
ということは…・・なんだ、別にティガとダイナじゃなくてもいいじゃないか。
ゾフィーとウルトラセブンとか、ウルトラマングレートとウルトラマンネオスとか、アストラとウルトラマンスコットとか、アンドロメロスとエレクとか、ミラーマンとグリッドマンとか、或いは思いきって他社のヒーローとか……?
自らの力によって滅んでいったいくつもの世界を見てきた赤い玉の化身の少女と、主人公の少年との淡い恋物語を軸に、願い(=想い)が時空を超えて伝わる、という構成はかつて小中監督が手掛けた『星空のむこうの国』に良く似ているが、これは半ば意図的なもののよう。
ファンタジーというかジュブナイルSFとしては良い雰囲気を持っている。
ただ『ウルトラマンガイア』の映画を見た、という気分にはあまりならないのがちょいと残念。
ウルトラマンアグルも出ないし、あくまでも番外編扱いだ。
『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』の<平成ウルトラ3部作>の中では、完成度の点からも一番好きなのがこの『ガイア』。
もうすぐ公開の新作では、ほぼ十年ぶりに吉岡毅志が高山我夢としてスクリーンに登場、しっかりとガイアに変身してくれるそうなので、楽しみでならない。