『オーディーン/光子帆船スターライト』(1985)
2008年 09月 20日
続いて84年夏になって新作『光子帆船スターライト』なる企画を発表、合せて「アニメ3年計画」というものを打ち出し、第1弾が『キング・オブ・デスラー』、第2弾が半村良を原作に頂いた『妖星伝』、そして第3弾が『ヤマト誕生編』?!
これは後に「アニメ復活三カ年計画」もしくは「ヤマト復活三カ年計画」と名前を変え、第1弾が『光子帆船スターライト』、第2弾が『デスラーズ・ウォーI/戦艦スターシャ』、第3弾が『宇宙戦艦ヤマト/誕生編』(或いは『宇宙戦艦ヤマト/復活編』)と改められた。
『デスラーズ・ウォー』は「1」とあるように、何部作かの予定だったようだ。
この内、実現したのは『光子帆船スターライト』のみ。

ところが公開前にプロデューサーが強調していたのは、如何に「ヤマト」とは違うのか、という点。
曰く、『ヤマト』は200年未来の物語だが『オーディーン』は100年先である。
曰く、『ヤマト』は軍艦だが『オーディーン』のスターライト号は商船で非武装である。
曰く、『ヤマト』ではワープを使ったが『オーディーン』では重力遮断航法を採用する。
曰く、『ヤマト』はジャズを基調としたシンフォニーだが『オーディーン』はハードロックである、等々。
しかし違いを強調すればするほど、逆にその類似性が浮き彫りになるという結果となってしまった。
メインスタッフも「ヤマト」シリーズを長く手掛けてきた人が多く、先に紹介した『宇宙空母ブルーノア』でもそうなのだが、「ヤマト」と違う違うと言うのであれば、もっと表面的な、素人でもわかる部分を変えるのが手っ取り早いと思うのだが、そうはしなかったということは前述した通り「夢よもう一度」の想いが強かったとしか言いようがない。
元々はTVシリーズ企画を転用したものだとはいえ、ストーリーは旅の途中で終ってしまうし、相変わらず船長(艦長)は途中で戦死するし、製作が間に合わなかったのか、公開途中でフィルムに手が加えられていたようだし、作品の出来も決して褒められたものではなかった。
作画のクオリティの高さ、構図やレイアウト、それらを含めた演出面、それにストーリー展開に余裕を持たせた脚本(「ヤマト」の場合は常に詰め込みすぎで、それを途中で刈り込んでいくため説明不足なシチュエーションや、説明過剰な台詞が散見される)は、「ヤマト」にはない魅力だ。

「オーディーン」は、知ってるだけで見ていなかった作品。西崎氏が「ヤマト」の後に作ったということで、気になってはいたのだけど、気になりつつも未見のまま過ごして来てしまい、ようやく相方さんのご厚意で見ることができました。ありがとう〜! スタッフと声優が「ヤマ....... more

ファンが望むものと作り手側とのギャップの差でしょうかね・・・。
おいらも観に行く気は無かったし。
さてさて、この歴史を考えると、本当に「ヤマト」復活は成功するのかな?
ヒロインのサラ・シアンベイカーには当時「萌え」ましたから(爆)。
このキャラ、『ヤマトよ永遠に』のサーシャ(真田澪)を気に入った西崎Pが、同じデザイン、同じ声(潘恵子)で再現したものなんですよね。
もっとも性格などは別人といっても良さそうだけど。
ただ作品が面白いかどうかは別物。
色々と持っていきようはあったかと思いますが、根本的には「驕り」があったんじゃないんでしょうかね。
昔は戦艦が飛んでることだけでも驚いたけど、帆船だと宇宙空間
では耐久性が無さそうで(笑)・・・。
・・・ダレもディズニーアニメの『トレジャー・アイランド』には触れないのかな(苦笑)。

ドラえもん のび太の宇宙小戦争は洋画映画のパロディが盛り込まれているのが面白かったけれども、新規BGMが少なく、流用BGMが多かったかなぁ…、後ラストの戦闘もちょっとあっさりした感じかな…。オーディーン 光子帆船スターライトはアニメ作品で帆船を飛ばしたり、ブルーノアに負けず劣らずのSF設定を取り入れたり、主題歌にヘビィメタルバンドのラウドネスを起用するのはかなり斬新的だが、時代的にはちと早すぎた作品かも…。
でも私的には西崎さんによるオーディーンはとても素晴らしい作品だなぁ…、だけども肝心のオチが俺たちの旅路はこれからだ!というような終わり方なのはちと辛い。最近はさらばヤマトorヤマト2のリブートがやっているらしいが、いつの日か「オーディーン 光子帆船スターライト2」なる続編やデスラー総統を主役にした「デスラーズ・ウォー」も見て観たいなぁ…。
「のび太の宇宙小戦争」はテレビ放送でしか見たことありませんが、面白かったです。
後にリメイクもされていますので、一般的にも人気があり評価されているのでしょうね。
「オーディーン」はテレビなどのシリーズ物として考案されたとのことで、もう数年遅かったらOVAという線もあったかもしれません。
映画がヒットすればあと1本くらいは作りたかったともコメントしてましたが、残念な結果に終わってしまいました。
この作品を「宇宙戦艦ヤマト」の世界へ組み込むのはちょっと難しいでしょうが(「ブルーノア」ならあり?)、今後も新しい「ヤマト」が生み出されていくとしたなら、その中で形を変えて「オーディーン」の雪辱戦を挑むのも面白いかもしれません。
デスラー主役のスピンオフも良いですし、「復活篇」と「2520」も何とかして欲しいと願ってやみません。
