『バットマン/アニメ・シリーズ』
2008年 09月 26日
映画との相乗効果もあってこのTVアニメ版もヒットし、1999年ぐらいまで放送は続いたようで、並行して『スーパーマン』のアニメ版が放送されたり、スーパーマンやワンダーウーマンらと共演したオールスター物『ジャスティスリーグ』へと引き継がれていっています。
お気に入りの長編アニメ『バットマン/マスク・オブ・ファンタズム』は、このシリーズをベースにした劇場用作品です。
ディスクに収録されているのは4つのエピソード。
「ダークナイトの伝説」は、子どもたちが語るバットマンの都市伝説の数々を描いたもの。『ゴッサム・ナイト』の1stエピソード「俺たちのスゴい話」も似たようなお話ですが、あちらはややグロテスクな部分があるのに対して、こちらは子どもの純粋な(?)夢という形になっています。
「氷の心を持つ男~怪人ミスター・フリーズ~」は、映画『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』の元ネタ。妻を愛する悲劇的な怪人の復讐譚。ただ、デザインは全くの別物です。
「最大の危機」は、目の前で死んだバットガールが最愛の娘バーバラだったことを知ったゴードン本部長が、バットマンの正体がブルース・ウェインであることを付き止め、娘の復讐のために追い立てるというお話。ナイトウィングこと初代ロビンのディックや執事のアルフレッドまでが犠牲になって・・・というハードなストーリーですが、オチはきちんと付きます。
そして「闇の騎士」は、自分の失態でゴードン本部長に重傷を負わせてしまったバットマン=ブルースが自責の念にかられ、今までしてきたことは無駄だったのかと問いかける重たい内容になっています。
ロビンがいたりいなかったり、バーバラが子どもだったり成長していたり、と製作時期はおそらくバラバラなのでしょう、続けて観ると混乱してきますが、個々のエピソードはなかなかの力作揃い。
また絵柄は子ども向けと思えるのに、内容はかなり大人向けだったりというアンバランスも楽しめます。
全話を観てみたいとまでは思いませんが、他にも代表的なエピソード、傑作、秀作があれば観たいなと思わせる出来でした。