『ヤマト わが心の不滅の艦/宇宙戦艦ヤマト~胎動篇~』
2008年 09月 29日
正直、TVの特番だとか、無料のプロモーション・ビデオというのならば納得なのですが、ただの”長いCM”を商品として売るという姿勢には疑問がないでもありません。
しかし今となっては、こういった形で残っていることで往時に想いを馳せ、実現しなかった夢を再び追いかけるという楽しみも与えてくれます。

従来のシリーズから約300年後の世界を舞台に、若者たちが新たなヤマトを建造して冒険の旅に出るというストーリーで、この年の秋に『YAMATO2520』とタイトルを改めた後に正式にスタートしました(その後、ご存知のように中断したままで、続巻の発売は絶望的です)。
そしてもう1本が、劇場用作品として企画された『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』。
これは『完結編』から19年後、再びあのヤマトが復活するというもので、なんと原案はあの石原慎太郎・現東京都知事です。
こちらは10年以上経った今でも実現しておらず、数年前にも企画が立ち上がりましたが頓挫し、最近ようやく始動したという話です。今度こそ実現するでしょうか。
どちらの作品も製作の過程を紹介し、設定画やイメージボード、それにテストフィルムを見せるなど弥が上にも期待を盛り上げてくれていますが、その後の経緯を知っているだけに、今見ると虚しく感じられてしまいますね。
この時に両作品とも無事に完成(完結)していたならば、と悔やまれてなりません。
またこのビデオには,旧作品の名場面や新作のプロモーション映像だけでなく、かつての「ヤマト」に携わったスタッフや新しい「ヤマト」に関わっている人たち(勿論両方に参加している人も)が、何人かインタビューを受けて出演しています。
西崎義展プロデューサーを筆頭に、豊田有恒、松本零士、舛田利雄、山本暎一、藤川桂介、白土武、宮川泰、羽田健太郎、徳永二男、阿久悠、シド・ミード、前田真宏、平野靖士、高山秀樹、北爪宏幸、小林誠、大倉雅彦、庵野秀明、結城信輝、石原慎太郎等々・・・。
この中には数年後、製作会社が倒産し、西崎プロデューサーが破産し、その後に銃刀法違反や覚せい剤所持で逮捕された後に声高に批判をしたり、権利関係で訴訟を起こした人もいるのですが、何故この時点ではこういった作品への出演を許諾したのでしょうね。
このビデオ、客観的に「ヤマト」を捉えているわけではなく、あくまでも製作側からのプロモーション作品なのですから、無理して出演する義理はなかったのではないかと思うのですが・・・。
このビデオが発売された当時は、新作映像が見られるのは嬉しいものの、一本の作品としては価値を見出せなかったのですが、逆に今となってはお宝映像の数々が詰まっていると言えるかも知れません。

相方さん。ホントにありがとうでした。突然のことだったので驚きました(笑)。 表レビューでは書くのを控えたツッコミをここに書きます。 「新ヤマト」については、ツッコミはありません(笑)。何故なら私は、ホンマに「YAMATO2520」を知らんからです。でも、あのワ....... more
それまでアニメは儲からん、てのが常識だったのが、ある意味くつがえったアニメ史転換点的な作品でしょ?
最初の劇場版が公開された当時高校二年だったんですが、テレビの編集版でお茶を濁し、グッズで儲けやがって…と分かっていて、それでも私もポスターやプラモを買い漁りました。
ビデオがまだない時代、動画を私物化できなかった時代。テープの録音をすりきれるまで聴き、テレビの画面をカメラで撮ってでも画像が欲しかった。ヤマトが大好きだったもん。
結局、作品になんの未練も情熱もないカネの亡者がむらがって、ついに看板がひとりあるきしてしまって暴走して…誰のせいだったのかは当事者しか判らないでしょうけど、いまだに「コレはまだカネになる」と考える人がいるのは間違いなさそうですね。
かつての名作として観る分には大歓迎ですが、やはりヤマトの物語や設定はいまの時代にはそぐわないと思う。バットマンじゃないけど、全く異なるアプローチなら観てみたい気もしますけど。
いつか正面切って論じてみたいテーマでもありますが、今の自分にはまだまだ荷が重すぎます。
「ヤマト」の復活に関して言えば、当時は大反対でした。
といってもシリーズの続行自体に反対していたのではなく、「完結編」と銘打ってヤマトを沈めた以上、安易に甦らせるのが納得行かなかったのです。
なのでヤマト抜きの古代たちのその後のドラマや、デスラーを主人公にした映画は楽しみにしていましたね。実現するとは思いませんでしたが。
その後は時間がだいぶ経過したこともあって、このビデオが出た頃は容認派でした。
それでも、むしろ『YAMATO2520』の方に、より重きを置いていましたが。
先日、今度こそ、という感じで製作発表がなされましたけれど、果たして・・・?
>ただの”長いCM”を商品として売るという姿勢には疑問がないでもありません。
現実的には、このような作品にしか出来なかったと思われます。
本来は「宇宙戦艦ヤマト」の新作が製作されていなくてはいけない時期であったのに出来なかったため、苦肉の策として出したものであり、はじめから「長いCM」を目的としていたわけではありません。
商品を出さなくてはいけない契約等もあったのでしょう。
悪いのは、新作を製作できなかった西崎氏です。
>お宝映像の数々が詰まっていると言えるかも知れません。
私のようなマニアには貴重な作品になりました。
宇宙戦艦ヤマトは、西崎氏や“ゴネ得”の松本にとっては、自分たちのライフワークであり、生きがいであり、お金で作る作らないを決める作品ではありません。
この作品に登場した前田氏や小林氏を見ると、「憧れの作品に参加できる喜び」を感じます。
(続く)

よろづ屋TOM さんのコメントのように、『次はヤマト』と儲け話しがあったのも知っています。(一時期、私は業界に近い位置にいた。)
ただそれは西崎氏や、松本から出たものはありません。
最終的には「儲けて何が悪い!」の理論になりますが、本当に宇宙戦艦ヤマトの新作で儲けたいのなら、“全く異なるアプローチ”は必要でしょう。
>先日、今度こそ、という感じで製作発表がなされましたけれど、果たして・・・?
西崎氏を神様仏様と思う私でさえも、信じていません。
熱心なサイト運営をされているのを、かねてより存じておりました。
強烈な個性を持つプロデューサーが主導したとはいえ、やはり多くの個性的なスタッフを揃えた結果、良くも悪くもヤマトは「人の想いを託された」艦になってしまった、ということなのでしょうか。
もはや一人の作家や出資者の思惑で、軽々しく扱えるものではありませんね。

日本のアニメは世界でも有名になっています。
日本の経済をあげるには、西崎さんの作戦もあり、日本のアニメのひとつ ヤマトを世界に広げてみるのもいいかもしれません。
誰でも反対はあったけど、世界中にはヤマトファンもいらっしゃるので、公開されても仕方ないものでしょう。
あなたのヤマトは心の中にあり、
今度のヤマトは次世代ヤマトとして暖かく見守ろうじゃありませんか。
それからヤマト2520も現在に適してるので、続きが見たいですね。
昔は 2520は時代より先を走っていた感じで馴染めなかったけど(面白いけどね)、復活してほしいです。
やっぱり「ヤマト」が好きだし、思い入れが強いから。
そして面白ければ声高に「面白かった」と叫ぶだろうし、つまらない、だけならまだしも、納得出来ない作品だったならば、場合によっては多少きつい表現で批判するかも知れません(悪口ということではなく)。
それぐらいの権利は「ヤマト」ファンとして、皆が一様に持っているのではないかと思いますね。

おいらもこのビデオはレンタルして見ました。
そうそう、原案は現・石原都知事でしたね。
当時は国会議員だったけれど・・・。
これは楽しみに見た記憶があります。
見ると、イメージとは違ったけれど・・・。(笑)
(YAMATO2520は、形的にも好きじゃなかったので、見なかったですね。「完結編」で終わった感もあったのかもしれません。)
「ヤマト」は作り手側にも、見る側にもそれぞれの思い入れが、たくさんある作品ですね。
それぞれの「ヤマト」に対する思いは大きいということですね。
「ヤマト」一作目が26話でなく、当初の52話だったら、どんな作品になったのかな?
それはそれで、ちょっとした夢かも?
それにしても「ヤマト」になると、文章が長くなってしまいますね。``r(^^;)ポリポリ
ところがその後に銃刀法違反で再逮捕された際には、掌を返したように交友を否定。
この事件は西崎P所有のクルーザーを、海賊対策のためと称して武装していた、というものだったのですが、その武装の理由が、自分が秘かに尖閣諸島へ行くためだった、というのが公になったからだそうで。
まぁ真相は知りませんし、今さら知りたくもないですが、そんなこんなで現在製作中だという『復活篇』に、「原案」として残っているかどうかは微妙ですね。
『2520』の方は、小説とかコミックとか、何らかの形で完結させて欲しいと思っています。もうアニメ版の続きは無理でしょうしね。
実際に放送が始まるときには39話に短縮されていたわけですが、そのヴァージョンもあんまり観たくない。
というのは、多分今自分が持ってる「ヤマト」のイメージとは、良くも悪くも違うものになってるだろうからで、そういう点でもリメイクには賛同しかねます(ディズニーが実写で作ろうとした、という方なら観てみたいですが)。
やっぱり作るならば続編、というか、「続き」「その後」「数年後」「数十年後」「数百年後(?)」。
つまり作り直しではなく、「あの」世界(同一世界)のお話ですね。