『イルカと、海へ還る日』 ジャック・マイヨール
2008年 09月 30日
この本は1993年に出版されたものの文庫版です。
何故今頃になって文庫化されたのかはわかりませんが、何度か繰り返して読んだのでもうボロボロ。そんな時に文庫になったわけですから、すぐに飛びつきました。
映画『グラン・ブルー』の主人公のモデルとしても知られるフリー・ダイビング(素潜り)の第一人者ジャック・マイヨールの、一種の自伝といってもいいだろう。「こちら閲覧室」から引用、転載しましたが、文庫化にあたっては構成にも若干手が加えられているので、以前よりも読みやすくなっています。
実際はエッセイ風の散文を、訳者が独自に解説を加えて構成したもので、マイヨール自身の文章は全然まとまりがないのだが、逆にこれが、読み手にストレートにメッセージが伝わる作りになっているのは結果オーライ? 分量としては、解説の方が遥かに多いはず。
いつかヒトは、イルカに近づいたヒトイルカになれるのかもしれない。
――そんなマイヨールの夢は、そう簡単に実感出来るものではないと思うが、それでも「素敵なもの」と感じさせてくれる。
この機会に多くの人に手にとって貰いたいなぁと思う次第です。