『蒼い瞳とニュアージュ』(2007)
2008年 10月 06日
この『<完全版>』というのが曲者なんですよねぇ。
松岡圭祐作品の場合、単行本から文庫化される際に加筆訂正は当たり前。版元が変わったりすれば、それはどんどんエスカレートしていく。
中には殆ど改稿されてしまったり、もしくは全く別の物語になってしまっていることもしばしば。題名だけ同じで別のストーリーだったり、或いは題名もストーリーも全く別のものになってしまったりと、刊行順に追いかけて行かないと収拾が付かない有様。
『催眠』シリーズも『千里眼』シリーズも途中までは読み続けていたけれども、丁度この『蒼い瞳とニュアージュ』の<オリジナル版>が出た頃から、遠ざかってしまっておりました。
なので、この作品もどんなお話かは知りません。そして<完全版>でどう変わっているのかも。

その頃、警察庁には爆弾テロを予告するビデオ映像が届いていました。警察が駆けつけたときには既に犯人は自殺しており、ビデオが残されていたのです。そしてその背景にあるのは、謎の青酸カリばら撒き事件。実は立て篭もり犯もこの男も、同じ青酸カリを服毒して自殺していたのです。
捜査は難航し、打つ手のない警察陣。そこで宇崎は、一ノ瀬恵梨香の協力を得ようとするのですが・・・。
TVドラマということもあるでしょうし、元々の原作がそういうお話だったからなのかも知れませんが、それほどの大仕掛けはありません。犯人とその動機も今一つ伝わってきていない部分もありましたが、それでも面白かったですね。
そして原作を読んだ人がどう感じるのかはわかりませんが、このドラマを見る限りでは主演の深田恭子は適役だと思います。
派手なファッションも、他を圧倒する行動力や奇抜な発想も、彼女なら納得してしまいます。結構胸元の大きく開いた服を着たりもしてるのですが、本人に媚を売ろうという姿勢が見られないせいもあって、下品にはなっていません。これで品がなかったら、ドラマは一気に低俗化してしまったでしょうけれども。
キャリアであっても低姿勢、恵梨香とコンビを組む宇崎を演じた萩原聖人、現場を仕切っている石橋凌、キーパーソンとなる麻生祐未、脇を締める寺田農らも何れも好演です。
まぁ、難を言えば宇崎の上司を演じた佐藤江梨子でしょうか。ちょっと狙いすぎかなぁ・・・。
原作はシリーズ化されていますし、『千里眼』シリーズともドッキング。
次は「ドラマW」の枠ではなく、劇場映画化なんかを望みたいですねー。そのまんま深田恭子の主演で。

トラックバック&コメントありがとうです。(*^-^*
私もこの作品シリーズ化を希望しているけど、
あのしょぼいクライマックス見る限り映画化は無理があるんじゃないかなぁ~?
もしも、映画化するならば監督と脚本家は変えたほうが良いかも?
そうなるともうちょっとスケールの大きな作品になるんじゃないかと思ってます。
もし実現すれば気になるのは岬美由紀のキャストで、映画『千里眼』では水野美紀でしたが、その後のイメージキャストは釈由美子に変更になりました。
深田恭子と対比させるなら、かなりの存在感のある女優さんが必要だろうなぁ。

もうどうでもいいこととは思いますが一応……
ドラマは完全版の方とも最初から最後まで全然違うストーリーとなってます
一致するのは主人公と二人で爆弾を持って車に乗り込むって流れぐらいかなと思えるぐらいです
爆弾を橋の上からとトンネルの中で爆発と違うところも多いですが(爆弾の規模も含め)
ホントたまたま見つけてこんな過去の記事を保持繰り返してすいません
古い記事でも大歓迎です。
未だに原作は両ヴァージョンとも読んでいないのですが、やはり全くの別物と考えるのが良さそうですね。
最近では<万能鑑定士>シリーズをかなりのハイペースで刊行してますけど、ちっとも追いつけません(苦笑)。