『扉は閉ざされたまま』(2008)
2008年 10月 11日
これはその一本目。
実はWOWOWでドラマ化されるというので気になって原作を買ったのですが、そのままになっていたものをようやっと読了。ということで、エアチェックしたまんま寝かせていたものも引っ張り出してきて、ようやく鑑賞と相成った次第です。

脚本は深沢正樹、監督・村本天志。
サークル仲間ではなく、大学のゼミ仲間。舞台も成城にある洋館を改装したペンションではなく、郊外の別荘。それに各人たちの関係(特に伏見と優佳)などを含めて原作とは違う部分が幾つかありますが、お話の骨格は原作通りです。
しかし随分とわかりやすいドラマになってしまってますね。
1時間半足らずという持ち時間の中で消化するには、しかも映像で見せなければいけないという制約の中では、ディスカッションだけで引っ張るのは難しかったのかも知れませんが、伏見は終始おどおどしっ放しで、これでは優佳でなくても不審に思うのではないでしょうか。
また、伏見が新山を殺害するに至る動機が原作より補強されているのは兎も角として、その心情を自ら滔々と披露してしまうのはシナリオとしては”逃げ”の姿勢に感じられます。
それにそのラストシーンも、原作を読んでいる身からすると蛇足だなと思えました。これでは「扉は閉ざされたまま」とは言えないのではないでしょうか。
TVドラマ化の際に改変するのであれば、きちんとポリシーを持って取り組んで欲しいのですが、何となく安易にまとめてしまった感が強く、非常に残念です。
原作を読んで浮かんだイメージより、中村俊介演じる伏見は随分と二枚目だなぁと思いましたが、ガッカリさせられたのは碓氷優佳を演じた黒木メイサ。
元々原作とはかなり違ったキャラクターになっていることもあるのですが、全くといって良いほど魅力を感じませんでした。
若手の有望株として注目されているらしい彼女の、女優としての実績は良く知らないのですが、殊この役に関しては他にもっと適役の女優さんがいたんじゃないでしょうかねぇ。これまた残念に思います。
さて、もう一本の方はどういう作品になっているのでしょうか。

内容大学のゼミの同窓会で。伏見亮輔、大倉礼子、石丸孝平、新山、上田五月そして、安東章吾6人は、安東の親戚の別荘に集まる。そんななか、伏見が新山を殺害。様々な工夫を凝らし密室を作り上げる。『あと10時間』そこに偶然にも、伏見の元恋人、碓氷優佳が現れる。姉...... more

大学の同じゼミのメンバーが同窓会して集まり 伏見(中村俊介)が新山(山崎樹範)を殺害。 その殺害を他のメンバーに悟られないようにするお話... more
80分と時間が短く、仕事で疲れていても
問題なく見ることができました。
しかし、10時間の意味が未だに分からない。
元彼女に臓器提供をするためと推測していたのですが
最後は、ウイルス肝炎に患ってる男の臓器はいらないと。
だったら、あのカウントダウンって何?
今度、訪れた際には、
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いらっしゃいませ。
10時間のカウントダウンの意味ですが、これは「臓器移植をさせないため」に必要な時間ということでしょう。
死後10時間以内だと、臓器移植されてしまう可能性があるからです(実際のところはどうなのか知りませんが)。
伏見の元カノは、臓器移植手術そのものは成功したものの、提供者が感染していたために死んでしまいました。
それと同じことが起るかもしれないので、新山に摂生を呼びかけたものの聞く耳持たず。
それでは、と殺害に至ったわけですが、死んだ後で臓器が移植されてしまえば結局は同じこと。
それを何としても避けるため、10時間が必要だったということになるのだと思います。
まぁ原作ではあそこまで新山はひどいヤツではなさそうですし、伏見の元カノ云々はドラマのオリジナル設定なので、動機としては随分と弱いかなぁと思っていたのですが(それに、カウントダウンもさほど強調されていません)。