『ウルトラマンG/ゴーデスの逆襲』(1990)
2008年 10月 12日
全部で13話作られた中から、前半の<ゴーデス篇>(1~6話)を劇場用に再編集したのがこの作品です。7話以降を再編集した『ウルトラマンG/怪獣撃滅作戦』と二本立てで公開されています。
アストロノーツのジャック・シンドーとスタンレー・ハガートは、火星探査中に邪悪な宇宙生命体ゴーデスと、銀色の巨人との戦いに遭遇。それは正に神々の戦いだった。
その戦いの最中スタンレーの乗った探査船は破壊され、銀色の巨人=ウルトラマンはゴーデスを撃退したものの、その細胞は地球へと降り注いでしまう。帰る手段を失ったジャックに語りかけるウルトラマン。ジャックはウルトラマンと一体化し、地球へと奇跡の生還を遂げた。
一方地球では、ゴーデス細胞に取り付かれた生物が怪獣化して暴れまわるという事態が頻発していた。UMAに入隊したジャックはそのメンバーとして、そしてウルトラマンとしてこれらの怪獣たちと対決していくのだが、そんなある日、ジャックの前に死んだはずのスタンレーが姿を見せた。果たして彼の目的は・・・?!
この作品のウルトラマンは、日本ではウルトラマングレートと名付けられ(命名は京本政樹)、これまでのウルトラ戦士同様M78星雲出身という設定ですが、劇中では明確ではありません。また、ウルトラマンの存在も認知されてはいないようなので、一応は独立した作品と捉えた方が良さそうです。
オープンセットを多用した絵作りは、これまでの日本産の作品にはない開放感溢れるものになっていますし、ストーリーの水準も高めで、個人的にはウルトラシリーズ全体の中でもかなり上位にランクしているほどお気に入りの作品でもあります。
劇場公開版では1話と5話、6話(後は2話の数シーン)を再編集した内容で、丁度6話のパートは並行していたビデオリリースに先駆けてのお披露目となりましたが、後にビデオやLDで発売されたのは2話と3話(同時進行するように手が加えられています)も含めた<完全版>。
劇場公開版は起承転結の内、「起」と「結」だけを繋いでいるだけなのでお話になっていませんでしたが、<完全版>では連続したストーリーの流れに則ってかなり見応えのあるものになっています。
ちなみにタイトルなのですが、劇場公開版ではただの「ウルトラマン」で、「G」が抜けています。
またオープニング・タイトルには京本政樹の歌う日本版の主題歌が流れていましたが、<完全版>では風戸慎介が手掛けた重厚なオーケストレーションのテーマ曲が鳴り響き、ハリウッド産のSF映画にも決して負けていない格調の高さが感じられました。