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『少女探偵ナンシー』 キャロリン・キーン

以前<ナンシー・ドルー・ミステリ>の一巻として創元推理文庫から出版された『古時計の秘密』という本について書いたことがありましたが、これも同じ少女探偵ナンシー・ドルーの活躍するシリーズ物で、通算では16冊目にあたるそうで。
原書が書かれたのは1939年(!)というから息の長いシリーズです。
日本では1962年に金の星社から翻訳出版されているそうですが、こちらは1998年に同社のフォア文庫に収録したもの。当時何冊くらい翻訳版が出たのか知りませんが、フォア文庫に入っているのは6冊で、それも最近ではなかなか入手が難しくなってきているみたいです。
またこれらはリライト版だか抄訳版だかいう話でして、創元推理文庫版が初めての<完訳版>だという話です。

『少女探偵ナンシー』 キャロリン・キーン_e0033570_22234116.jpgこのお話でのナンシーは、迷子の子猫を拾ったことから財産を巡る醜い争いに巻き込まれてしまいますが、素敵な友だち、それに高名な弁護士である父親の手助けを受けながらも、持ち前の行動力と判断力で見事解決に導いていきます。
ナンシーという女の子が完全無欠過ぎるので面白みに欠ける嫌いもありますが、当時の女の子たちにとっては(今でも?)憧れの、理想の姿であっただろうことは想像に難くなく、人気があったのも頷けます。
また、ハラハラドキドキのミステリーでありながら、血なまぐさい殺人事件などが一切起こらない、というのは、これは本を与えるお父さんお母さんにとっても有り難いことだったでしょうね。逆にイマドキの娘だと、それじゃ物足りない!と言い出すかも知れませんが・・・。

ところでナンシー・ドルーのシリーズは、書き手を変えて現在でも新作が発表され続けているそうです。
既に新シリーズも別の出版社から翻訳版の刊行が始まっているようですが、一つのキャラクターの息の長さには驚かされます。日本ではここまでキャラクターを大切にしていないかなぁ。
というか、続編だったりリメイクだったり、2号や弟を出したり(笑)と、付加価値がないとビジネスとしては成り立ちませんねー、日本では。
スーパーマンは70年経っても、あのスタイルのまんまスーパーマンですが、ウルトラマンは40年以上経っているとはいえとっくに”過去の人”となり(ゲストとしては出てきますが)、”弟”たちにその座を譲ってしまっています。日本人の方が飽きっぽいのでしょうか。
by odin2099 | 2008-10-12 22:24 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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