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『悪魔の手毬唄』(1977)

市川崑(監督)&石坂浩二(主演)コンビで作られた<金田一耕助シリーズ>の2作目になります。
前作『犬神家の一族』は、角川春樹事務所主導で作られた所謂”角川映画”でしたが、この作品以降は東宝の自社製作映画。
ということは本来なら切り離して捉えるべきなのかも知れませんが、スタッフ、キャストは踏襲していますので慣例に従ってシリーズ第2弾としておきます。

『悪魔の手毬唄』(1977)_e0033570_729287.jpg岡山の鬼首村、そこでは地元の旧家・由良家と新興勢力である仁礼家との長い確執が続いている。
その村に金田一耕助は、旧知の磯川警部に呼ばれて逗留していた。
20年前にこの村で殺人事件が起こり、磯川も捜査を担当していたものの事件は迷宮入り。
それ以来磯川は個人的に事件に関わり続け、しばしば村を訪れていたのである。
金田一が逗留している宿の女主人・青池リカこそ、犠牲者の妻なのだ。
磯川は金田一に、20年前の事件解決を依頼する。
そんな時、村出身の人気歌手・別所千恵が帰省して来た。
千恵と由良家の泰子、仁礼家の文子、そしてリカの娘・里子の四人は同級生で仲が良かったのだが、その夜何者かによって泰子が殺害されてしまう。
そして第二の犠牲者が…。

この作品も『犬神家~』同様、村に伝わる手毬唄を使った”見立て殺人”が行われますが、前作に比べるとその必然性が弱いというか、薄い気がします。
そして犯人の動機もさほど強烈なものだとは思えないのですが、このあたりは原作を読めば得心がいくのでしょうか。

ともあれ、派手さのない分前作よりもじっくりと観ることが出来ますし、再見ですが面白く観ることが出来ました。
また以前観た時よりも、磯川警部役の若山富三郎と青池リカ役の岸惠子の二人に感情移入して観てしまったのは、自分も歳を食ってきた証拠なんでしょうかねぇ。
ちょっぴりショックでした…。

by odin2099 | 2008-10-13 07:30 |  映画感想<ア行>

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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