『連帯惑星ピザンの危機』<クラッシャージョウ>1 高千穂遥
2008年 10月 26日
奥付見ると凄いことになってますからねー。
1巻は1977.11.30が初版、2巻は1978.1.31、3巻1978.4.30、4巻が1978.7.30、5巻は1978.12.30と驚異的なペースで刊行されております。今だと栗本薫の<グイン・サーガ>に近いハイペースですね。
その後ちょっと空いて6巻が1979.6.30に出たんですが、さてここからが長い空白期間に入ります。しかも6巻のラストは、ジョウが熱線銃で撃たれて倒れたところで終ってます。リアルタイムで追っかけてきたファンは、さぞかしヤキモキさせられたことでしょう。
やっと7巻が出て、ファンの前にジョウが元気な姿を見せたのは1983.3.18、そして立て続けに映画のノベライズが1983.4.30に出ております。
しかし次に出たのは外伝でして、1986.12.30。本編の8巻は上下巻で1989.11.30と1990.3.30になるまでお預けを喰らいました。
そして自分もこの頃にシリーズから離れてしまっています。
その後は2000年になって改訂版が刊行され始め、いつの間にやら9巻や10巻が出てることを知り、それじゃあ久しぶりにシリーズを読み返してみようかなぁ、なんて思っていた矢先、あろうことか出版元の朝日ソノラマがなくなってしまいました!
店頭からはあっという間に姿を消し(それ以前からソノラマ文庫を置いてる本屋さんは少なくなってましたけど・・)、古本屋さんでも見かけず、さてどうしたもんかなぁと思っておりましたが、この度メデタク早川書房に移籍決定!
これで手に入れ損なっていた巻も何とかなりそうです、ヤレヤレ。
またこれでハヤカワ文庫で<ダーティペア>と<クラッシャージョウ>、2大シリーズが揃ったわけですが、また両シリーズのコラボ企画、やらないもんでしょうかねぇ。
連帯惑星ピザンにクーデターが起こり、辛うじて脱出した王女アルフィンは、救助信号をキャッチした”宇宙の何でも屋”クラッシャーに救助されます。それは中でもトップクラスの腕利き、ジョウの率いるチームでした。
銀河連合に事を提訴しようとするアルフィンはジョウたちに助けを求めますが、チームのメンバーであるタロスやガンビーノはそれに反対します。何故ならば連合の方針は内政不干渉、戦争でも起こらない限り提訴は門前払いされるというのです。
そこでアルフィンは方針転換、ピザンの危機を救うため、ジョウたちのチームを雇いたいと言い出すのですが――。
っつーことで今回、20ン年ぶりに読み返しました、シリーズ第1巻。
厳密に言うと、クライマックスからラストに掛けて大幅に改変されたヴァージョンなので、再読とも言い切れませんが、懐かしく、かつ楽しく読み終わりました。
登場人物もストーリーもそれほど複雑じゃありませんし、やっぱり勝手知ったる世界という安心感があるので読みやすいですね。
実は肝心のお話の方は結構忘れていたんですけど・・・。
物語のラストで、亡くなったガンビーノに代わって新たにチームの一員となるアルフィン。ジョウたちの冒険は正にここから始まるのです。
しかも!そーですかー。ソノラマ、無くなってたんですか…(;´д`;)
安彦さんの表紙絵の変遷も興味深いモノがありますね〜〜〜。初版のアルフィンは『ザンボット3』の恵子が成長したような絵でしたが、今のバージョンは別人ですね。オトナじゃあ。
そーだ、スペオペ。この頃は全盛でしたね。今の若い人に通じるんでしょうか。
まして熱線銃(ブラスター)なんて…ビームとプラズマの応用で翼や盾さえ作ってしまう21世紀のSF、どんな作品をほじくってもなかなか見つからん単語かも?90年あたり以降の新しい作品は読んでないんで、今どんな武器がトレンドなのか想像もつきませんが…
これ、今あらためてOVAとかで制作したらどんなもんでしょうねえ…いや?むしろこんなのこそハリウッドで実写化したらいいのかもしれませんね。
かろうじてスペオペの匂いを残すスタトレ11、脚本家ストのせいで遅れてますが、はたしてあそこまでマニアックでアナクロなSFが今ヒットするやら?トレッキーの私でもマユツバです。
僕が持っているのは昭和58年3月18日付けの37版。ま、5年半で37版というのも凄いですけど(笑)。
で、カバーイラストの変遷。
劇場版『ガンダム』のポスターなんかを描いた頃から、明らかに安彦さんのタッチ、変わってきてますよね。
でも本文イラストはそのまんまだったりします(苦笑)。
宇宙モノ、スペオペと呼ばれるジャンルはTVや映画でも沢山ありますけど、こういったオーソドックスなタイプの作品ってないかも知れないですね。
今の時代に例えば『レンズマン』とか『スターウルフ』、『キャプテンフューチャー』なんかを映像化しても受けないですかねぇ。
この『CJ』も、今ならばCGも発達してますし、TVドラマでも充分映像化出来そうですが、さて・・・?
『ST11』、何気に期待してますが、例によって我が国でのヒットは望めないでしょうなぁ。