『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1996)
2008年 11月 07日

一世を風靡した『ジュラシック・パーク』もまだまだ「最近の作品」という感覚があるのですが、既に15年も前の作品。今の高校生あたりまではリアルタイムで知らないわけで、改めて自分も歳食ったなぁと感じたりして。
このパート2も12年前、続くパート2ですら7年前の作品。完全に「過去の作品」ですねぇ。
そして今また、作者であるマイクル・クライトンの訃報が届きました。
「十年一昔」と言いますが、何か本当に「区切り」が付いてしまった感じがあります。
以下、「しねま宝島」より引用、転載――
マイクル・クライトンが書いた小説『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』もつまらなかったが、それを映画化した本作は、それに輪をかけてつまらなかった。その後、マイクル・クライトンは三度恐竜を取り上げた新作を準備中と伝えられていたのですが、結局実現しなかったのでしょうかね。
映画化にあたってはストーリーを大幅に変更するなど工夫を凝らしているが、それもかえって裏目。その改変を巡ってクライトンとスピルバーグは絶縁状態に陥ったとも伝えられたが、どっちもどっちである。
恐竜に遭遇し逃げ惑う人々を描いた一作目に対し、今度は恐竜ハンターたちが島へ乗り込んでいくという切り替えは、『エイリアン』と『エイリアン2』の関係と類似していて新鮮味はない。
前作の『ジュラシック・パーク』も決して原作に忠実というわけではなく、また「傑作なのか」と正面切って問われると答えに窮してしまうのだが、それでも映画としての見せ場はふんだんに用意され、娯楽作としては充分お釣りのくるものであった。何よりも今までスクリーンを彩ってきた数多の恐竜たちを遥かに凌駕する斬新な描写は、その一事だけをとっても映画史に名を残すに値する作品となり得ていた。しかし今回は条件が違う。技術的に多少進歩しようとも、目の肥えた観客相手には同じ手は通じない。
それを支えるだけのアイディア、ストーリーなどのプラス・アルファがなければ作品としての評価は出来ない。この作品にそれがあるかといえば、残念ながら答えは「NO」と言わざるをえない。
超満員の先々行オールナイトの劇場を後にしながら虚しい思いにとらわれた私だったが(なんせ上映前に3時間も並んでいたもので・・・)、幸いにも映画は大ヒット。柳の下にドジョウは2~3匹はいることを実感させてくれた。
またスピルバーグはクライトン抜きで『ジュラシック・パークIII』を製作、更に第4作も構想中ということで度々キャスティング情報などが取り沙汰されてきましたが、正式なゴー・サインは出ないままの様子。このまま立ち消えになってしまうのかも知れません。
ただ、作品としては実現しなかったとしても、クライトンの構想メモのようなものが残っていて、それを元にしてスピルバーグが追悼でメガホンを取る、というようなことでもあれば、それはそれで歓迎したい気分です。

監督 スティーヴン・スピルバーグ キャスト ジェフ・ゴールドブラム、J・パトリック・マクナマラ、リチャード・アッテンボロー、ジュリアン・ムーア、ピート・ポスルスウェイト、ヴィンス・ヴォーン、リチャード・シフ 1997年 アメリカ ジャンル:アドベンチャー、シリーズ 【あらすじ】 あの事件から4年、前回の調査隊に加わっていたマルコム博士は、ジェラシック・パークの設立者ハモンドから再び呼び出される。実はあのパーク以外にも恐竜の飼育地の孤島があり、恐竜が繁殖をしているので調査に行ってほしいと言うのだ。し...... more


制作年:1997年 制作国:アメリカ 上映メディア:劇場公開 上映時間:129分 原作: 配給:ソニー・ピクチャーズ 監督:スティーヴン・スピルバーグ 主演:ジェフ・ゴールドブラム ジュリアン・ムーア "ジュラシック・パーク計画"が消滅して4年。絶滅したはず の恐竜が"サイトB"と呼ばれる孤島で確認された。秘密の遺 伝子工学研究所で放置されている間に恐竜たちが新たな生 態系を作り出し繁殖していたのだ。数学者のマルコ...... more

前作よりはパワーダウン。何よりも、映像での目新しさが前作に全て奪われているので(要は二番煎じ)、他に良いアイデアはないものか・・・そうだ!Tレックスを大暴れさせて、アメリカ本土へ上陸だぁ〜!と、なったかどうかは知らないが、これが裏目。ビルが建ち並ぶ背景に...... more

本作の感想や他のindexを読ませていただく限り、年齢や好きな映画の傾向が私と近いのではないかと思います。
(ブログ007の感想とか全て書いてる人私の他に初めてみました。)
これからも立ち寄らせていただきますのでよろしくお願いします

琥珀に封じられた蚊の体液からDNAを抽出して───なんて、それだけで感動しました。
だって、琥珀はウイスキー好きの私にとっても時の結晶、時のロマンの象徴でしたから。
ジュラシック・シリーズで上手いなあ、と思ったのは、人工衛星の発達で地上からすべてのロスト・ワールドが失われて(変な言い回しですが)しまった現代そして未来に、ちゃっかりとジュール・ベルヌの居場所を創ってしまった事です。
クライトン氏と映画制作からみの事はエクスカリバーさんの話で初めて知ったんですが、ガンダムやスタトレの世界観がその後もずっと活きて新たな作品を啓発しているように、ジュラシック・シリーズの世界観はこののちいくらでも新たな作品の引き金になると私は思いますよ。
ヘタな遺伝子復活ネタのパクリとしてではなく、最初から敬意を込めて“Based Story by Michael Crichton”のクレジットのもとに創られる事でしょう。
偉大なる”ジャンル・クリエイター”だった、ということは言えるかも知れませんね。
既に小説にしろ映像作品にしろ”クライトン物”と呼べそうな作品は沢山出て来ているように思います。
勿論それ「だけ」の人では、当然なかったわけですが・・・。
それにしても「大きい人」だったんだなぁ、と改めて感じております。