『ブラックペアン1988』 海堂尊
2008年 11月 09日
大出血の手術現場で世良が見た 医師たちの壮絶で高貴な覚悟。」
うーん、相変わらず濃ゆいキャラクターたちが、凄まじい物語を展開してくれています。
これ、『チーム・バチスタの栄光』に始まる一連のシリーズ物の一冊で、時代はタイトル通り1988年(昭和63年)、舞台は勿論東城大学医学部付属病院。
既に”ミステリー”の冠が取れた”メディカル・エンターテインメント”の、通算5作目ということになります。
主人公は世良雅志という研修医で、彼が入局した佐伯外科で様々な人に出会う、というのが基本ライン。
そこにはまず”神様”の佐伯教授がいて、その下に黒崎助教授がいて、世良の先輩には垣谷がいて…と、これだけでシリーズの読者ならニヤリものですが、そこへ帝華大学から派遣されてきたのが高階講師!
後の高階病院長その人で、これがまぁ”ビッグマウス”なんて呼ばれているくらい型破りな人で、病院長時代しか知らない自分らにとっては「え?」という感じではありますが、この頃から黒崎教授とそりが合わなかったんだなぁ、なんてこともわかって更にニヤリです。
また医局には藤原さんが婦長として働いていて、その部下に猫田主任がいて、そして新人で花房さんがいて…と並べられると、一体作者はどの段階から人物の相関関係を考え、伏線を張ってるんだろう?と感心してしまいます。
世良は良くも悪くもこの人から大きな影響を受けていきます。
クライマックスはちょっとしたミステリー仕立てになりますが、ある程度展開が読めてしまうのが玉に瑕。
『ブラックぺアン1988』 海堂尊 講談社【comment】本作は、1988年の東城大学医学部付属病院が舞台となっている。つまり、『チーム・バチスタ〜』から始まった『田口&白鳥シリーズ』の約20年前を描いたものだ。これは、シリーズの番外編としてすこぶる楽しめる作品であり、今までの海堂氏の作品を全て読んだ方こそ押されるツボも多いだろう。勿論本作だけでも面白いとは思うが、出来ればせめて『チーム・バチスタ〜』を読んでから手にするのが望ましい。筆者が、親切且つ巧妙に、または特...... more
{/book/}「ブラックペアン1988」海堂尊 おなじみ海堂尊の「バチスタシリーズ」の新作は、時代がさかのぼって1988年の東城大学医学部付属病院が舞台になっています。“スピンオフ”というか、映画でいえば流行りの“ゼロ”という感じでしょうか。 現行シリーズで病院長を務める高階医師がこの東城大学に転属になったころの同病院のドタバタを、研修医である世良の視点から描いた作品です。研修医を視点としたことで、医療現場に詳しくない読者も共感できる部分が多いです。半人前の医者が現実に患者の命や人生に触れて成長...... more
ブラックペアン1988 海堂 尊 JUGEMテーマ:読書 1988年(昭和63年)の東城大学医学部付属病院。研修医1年生世良は神の手を持つとされている佐伯教授率いる佐伯外科教室で研修を始めた。その佐伯外科に帝華大から高階講師が新しい手術用器具を持ってやってきた。世良を通してみる佐伯外科。 「夢見る黄金地球儀」を読んだ時、色んな方に「ブラックペアン1988は面白い」って聞いていて、期待度大でした。本当にすごく面白かった! 佐伯外科の教授、佐伯の言葉は絶対。帝華大から押し付けられ...... more
ブラックペアン1988 海堂 尊 講談社 (2007/9/21) 単行本: 317ページ 黒を基調にシルバーグレイのタイトルが並ぶ装丁のシンプルさが際立つ。あるのはただひとつのブラックペアン。原色で派手な印象の多かった海堂さんの本にしては珍しい。本屋に並んでいる姿に、かっこいいじゃないか!と思わず心の中で呟いてしまう。ほんとほんと、だってそう思えたんだもの。 外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦...... more
海堂尊/著 『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読んで、『螺鈿迷宮』を読もうと思い、書店に行ったら売り切れだったのでこちらを先に読みました。(割と大きいところなのに・・・ちなみに『ジェネラル〜』も売り切れだった。) バチスタスキャンダルが起こる20年前の昭和63年の東城医大が舞台。 このお話は今までの物語とは違いミステリーではないですが、楽しめました。何せペアンって何?ああ、この表紙のやつ?っていうくらいの全くの度素人かつ血が苦手なんで、手術描写はちょっと想像し辛かったですが(苦笑)、それでも飽...... more
ブラックペアン1988 著 者:海堂尊 出版社:講談社 初 版:2007年09月20日 評 価:☆☆☆☆ ブラックペアン1988/海堂 尊 ¥1,680 Amazon.co.jp 内 容: 1988年(昭和63年)5月。医師国家試験の合格発表まであと約10日と迫り、世良雅志は東城大学医学部付... more
海堂尊著「ブラックペアン1988」を読了しました! この小説は、「チーム・バチスタの栄光」から始まる田口&白鳥シリーズの番外編にあたる作品で、「バチスタ」の時代から約20年前の事件を描いています。 番外編という事だし(ましてや20年も前の話だし)、少々不安に思いながら読み進めていったのですが、これがすご〜く面白かった!! 海堂さん、どんどん上達していってるんじゃないですか〜{/eq_2/} まず良かったのは、主人公が若いこと。「チーム・バチスタ〜」等のシリーズ本編では、主だった登場人物は皆、成熟...... more
ブックデザインは鈴木成一デザイン室。カバーCGは桑原大介。初出「小説現代」。 1988(昭和63)年の東城大学医学部付属病院。 新人外科研修医世良雅志が直面したのは 緊迫の手術に教授助手講師たちが織り成..... more
ブラックペアン1988クチコミを見る # 出版社: 講談社 (2007/9/21) # ISBN-10: 4062142546 評価:80点 『チーム・バチスタの栄光』の20年前を書いた作品、らしい。 まだバチスタを読んでいないし、そもそも著者の本はいつも図書館に全くないので、ちゃんと順序だて...... more
「時はバチスタ事件が起こる20年前、東城大学付属病院研修医の世良は佐伯外科に入局した。 彼のオーベンとなったのは帝華大学からきた講師の高階、彼の型破りなやり方に周りから色々な雑音が。 そして一番高階のやり方に反論する渡海にも世良は引き込まれていく・・・... more
海堂尊著 「ブラックペアン1988」を読む。 このフレーズにシビれた。 世良は慎重に手洗いを続ける。手のひらのうらおもて。手首。二の腕。指の一本一本。前腕。すべてを六角柱に見立て、その一面を十回ずつ。先端から中心へ。流れを乱さず、すべては同じルールの下に。 [....... more
えーと、それはさておき(?)、『螺鈿迷宮』を読んでなくてもそれほど支障はないと思います。
ま、相変わらず桜宮病院と桜宮巌雄院長の名前は思わせぶりに出てきますけども、そのあたりは後日『螺鈿迷宮』で楽しんでください。確か今月だったかに文庫になるんじゃなかったっけかな。
そうそうこの作品の中では、渡海先生のお気に入り曲として水落冴子の「ラプソディ」も出てきます(笑)。
クライマックスは確かに展開が少し読めますけれど、でも爽快でしたね。田口先生や速水先生が出てきて、しかもなるほど、こういうことがあったからなのね、と思いました(笑)
『螺鈿迷宮』文庫になるということで教えていただき、調べたら22日に発売のようですね・・・文庫で読もうと思います。
『”桜宮サーガ”にハマってしまいそう』
すっかりハマったように見えますよ~(笑)
この作品も面白かったですね~
高階講師、最高です(笑)
学生時代の田口先生たちも面白かったですね。ファンサービスの仕方が心難いわ(笑)
新作の『イノセント・ゲリラの祝祭』を購入しました~
早く読みたいです♪
このまんまどこまで整合性を保ちながら新作と旧作をリンクさせ続けるのか、その点にも興味津々(笑)。
まぁ、あんまり無理矢理くっつけなくてもいいかなぁと思うし、違う街を舞台にしたもっとゆるーいリンクの作品があってもいいかも、なんて思ってます。
本編とうまくリンクさせつつ、この作品だけを読んでも楽しめるようにできてあって、すごいなーと感じながら読みました。
登場人物の過去がこうやっていろいろと明かされてくると、また最初から読み直したくなりますね。
世良さんや渡海さんがこの後どうなったのかとか、いつか再登場するのかとか、気になる要素がいっぱいですね。