『ダーティペアの大逆転』<ダーティペア・シリーズ>2 高千穂遙
2008年 11月 17日

今回はのっけからケイとユリが呼び出しを受けてるWWWAの本部ビルが襲われ、本部のある惑星リオネスは大惨事に。で、体よく追い出されて向かった銀河系の外れに位置する鉱業惑星チャクラでは、鉱山技師の一人が未知の獣に襲われるという事件が起こっていた。
といっても、それはかすり傷。本来ならWWWAが提訴を取り上げ、しかも犯罪トラコンを送り込むような事件とも思えなかったのだが、その影には恐るべき陰謀が潜んでいたのだった・・・!
発表されるとすぐに大反響が起こったと記憶している<ダーティペア>だったが、この2冊目が出るまでは5年くらいかかってるはず。この頃からこの作者は遅筆で知られるようになっちゃったんだっけ。
ともあれ、自分がリアルタイムでこのシリーズを読むようになったのはこの作品から。ということで、結構思い入れがあったりもするのだけれども、読む進めていく際、全くといっていいほどお話を覚えていないのに気付いて愕然となったりして。その分、陰謀の実態やら、黒幕の正体探しやら、楽しめたのは確かだけれど・・・。
ま、おそらく20年ぶりくらいに読むのだから仕方ない、か。

スペオペってそんなもんですかねえ。
テレビアニメも観てたけどやはりエピは覚えてない…お子ちゃまなふたりのキャラデザインだったんで全然イメージが違いますが、なぜか劇場版の方はしっかり覚えてたりします。ケイの恋物語で可愛かったからかな。
そっちの主題歌やEDも今はなき松原みき嬢で好きでした。でも安彦タッチの作画も観てみたいような…(あれっ?ありましたっけか)
TVシリーズの後でOVAが作られ、その時はTV版よりは安彦デザインに近いものだったのですが、別スタッフだったこともあるのか、あまり評判にはなりませんでした(ケイとユリのキャストは同じ)。
しかも高千穂センセは噛んでないらしいですし。
その後はTV版デザインを踏襲してOVAや劇場版が作られてますけど、この土器手司デザイン、どうも馴染めないんですよね。
安彦さんにキャラデザや作監やってもらって・・・というのは今さら無理ですけど(苦笑)、この安彦デザインを踏襲したニュー・ヴァージョンのダーティペアも観てみたいなぁ。

別ネタで恐縮ですが、中吊り広告に『タイタニア:2』ってあるのを見て、「え、まだ始まったばっかりの話やったんか」と驚きました。
DPみたいな読み切り型ならともかくも、グインもふくめて、作者が存命で連載途中の大河風作品のアニメ化って風潮、そろそろ見合わせて欲しいもんだと思うんですが。
比較的順調に3巻まで出たところで中断。以後、全く続巻が出てません。
数年前にスクエア・エニックスに移籍し、その際に続巻が刊行予定である旨告知されましたが、なしのつぶて。
いつの間にかそちらは絶版となり、今回講談社文庫へ再度移籍と相成りました。
今度こそ続巻が出るんでしょうかね。
田中芳樹作品は他にもそういった作品が多く、そのうちの幾つかは他の作家の手に委ねて続巻、もしくは外伝として永らえてるものがあります。
作家・小説家としては全くの邪道とは思いますが、クリエイターとしては新しい形なのかも知れませんね、”小説原作者”というポジションは。