人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『王都炎上』<アルスラーン戦記>1 田中芳樹

この頃は暇なガクセイだったので、「何か面白い本はないかなぁ」と毎日のように本屋さんを物色する生活を送っておりました(そして現在に至ります・・・)。栗本薫の<グイン・サーガ>に結構のめりこんでいたこともあり、もう一つの<グイン>的な作品を求めていたりもしていたのですが、そんな時に出会ったのがこの本です。

『王都炎上』<アルスラーン戦記>1 田中芳樹_e0033570_931055.jpgもっとも最初のうちは、背表紙に書かれた「王都炎上」という漢字四文字のカタイ書名ゆえ、素通りしたはずです。何かの機会にちっちゃく書かれた<アルスラーン戦記>という副題に目を留め、天野喜孝のカバーイラストに惹かれて購入。中世ペルシャを模した架空の国パルスを舞台にしたヒロイック・ファンタジー、という設定に新鮮味はあまり覚えなかったのですが、登場人物のユニークさと毒舌の応酬にすっかり魅了されました。

確か2巻か3巻まで出ていて、それをまとめて読んだ記憶がありますね。
同時に宮本昌孝<失われし者タリオン>というシリーズにも手を出し、しばらく並行して読んでいましたが、結局そちらは中途でほったらかしにしていまいました(11巻ぐらいまで出たみたいですが、6巻ぐらいで挫折してます。きちんと完結したのかな)。その時はまさか20年以上も経って、まだ続巻を待つ羽目になるとは夢にも思いませんでしたが・・・。

ちなみに作者の名前は全くノーチェックでした。読み始めてしばらくしてから、ああこのヒトは『銀英伝』書いたヒトなんだ、と思った程度。最初に読んだのがこのシリーズだったからか、『銀河英雄伝説』よりもこちらの方が好き、というか思い入れがありますね。

まともに完結したシリーズはごく僅か。その殆どが現在進行形というか中断したまんま、というのがこの作者の常ですが、ご多分に漏れずこのシリーズもまあまあのペースで刊行されていたものの、ある時期からピタっと停止。
ところが近年になって出版社を移籍して、それでようやっとシリーズが再開され始めたのですが、今度はどこまでお話が進んだのか記憶が定かじゃない。そのうち再開後の新シリーズがまずまずのペースで発売されるようになり、ようやく作者も本腰を入れるようになったのかな、と思えるようになってきたので思い切って1巻から読み直すことにしました。アニメ映画版を観直したりもしていたせいか、思いの外ストーリーをしっかり覚えていたので一安心。このまんまお付き合いしたいので、作者には是非とも刊行ペースを上げて頂き、今度こそ完結させて欲しいものです。当初の予定通りなら、あと1~2巻で大団円を迎えるはずですけれど・・・?
by odin2099 | 2008-11-23 09:06 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur