『空中ブランコ』 奥田英朗
2008年 12月 03日
跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗りが主人公の表題作「空中ブランコ」を始め、尖端恐怖症になってしまったヤクザ者の悲劇「ハリネズミ」、誰もが気付いていながら知らん顔、バレバレな教授のカツラを剥ぎ取りたい衝動を必死で堪える大学講師の話「義父のヅラ」、サードからファーストへの送球が出来なくなったプロ野球選手の悩み「ホットコーナー」、新作を構想する度に、過去に同じ題材や設定を使ったのではないかという強迫観念にかられる人気作家を描いた「女流作家」の5編を収録した短編集。
今回の作品では、それぞれの主人公たちは完治するというより、前向きに捉え再起を期す、というような終わり方が多い。
これが前作との色合いの違いかな。
単純に笑えるのは前作に収録された作品だけれども、色々と考えさせられるのは本作のもの、という風に(便宜的だけれども)分類出来そうだ。
で、前作の『イン・ザ・プール』は映画化されているけれど、こちらはTVドラマ化され、その後で舞台化もされてます。
それぞれの作品で伊良部を演じているのは、松尾スズキ、阿部寛、そして宮迫博之。
個人的には誰一人イメージだとは思わないが、独立した作品として一番伊良部に相応しい演技をしているのは、さて誰なんだろう?
『空中ブランコ』 奥田英朗 文春文庫【comment】本作は、先日読んだ『イン・ザ・プール』の続編で、超〜奇人変人医師、伊良部一郎が蔓延る≪伊良部総合病院神経科≫にウッカリ通ってしまった患者さんのお話5話が収められている。前作にイマイチ入り込めなかった私は、第131回直木賞を受賞したという本作に興味を持ちつつも、「読むのはいつでもいいや〜」のスタンスでいたのだが、仲良しこよしの義妹がドカ〜ンと十数冊貸してくれた本の中にコレを発見「買わずに読めるなんてラッキーだわ...... more
テレビドラマは、見てないのですが。 『イン・ザ・プール』という作品の続編らしいですが、 これもまだ読んでいませんが。 でも、楽しかった! 馬鹿馬鹿しくって。 精神科医、伊良部一郎のもとには、色んな患者がやってくる。 飛べなくなった空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のヤクザ、 義父である教授のカツラを取りたくてたまらない医者、 スローイングのできなくなったプロ野球選手、 書こうとすると強迫観念に囚... more
奥田英朗の【真夜中のマーチ】を読んだとき、【空中ブランコ】の主人公の「伊良部医師」がお見合いパーティーの場面でゲスト的に出てくると面白そうだと思った。そして【真夜中のマーチ】の妄想キャスティング案ぎ..... more
{{{ 空中ブランコ 奥田英朗 文藝春秋 }}} === もう、伊良部先生最高です♪だ〜い好き♥ === [http://blogs.yahoo.co.jp/konpeitou_06/38159603.html/ 「イン・ザ・プール」]に続く第二弾で、五編からなる短編集です。 http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/b4/b7/popkun_55/folder/680333/img_680333...... more
はなうた日和 山本 幸久 (著) 装丁がかわいらしいので、読んでみました。 8つの短編からできています。それぞれちょっと笑わせながら、意外な展開で話が進んでいくのが面白いです。 特に「犬が笑う」という短編は気に入りました。 陸子は会社の上司ソラヲと不倫していたんだけど、ソラヲが会社の自分宛にラブレターを出してくれっていうんですね。取引先の広告代理店の封筒を使って。で、いつもこの切手を使ってくれと「みかんの花咲く丘」のシートを手渡されます。48通出したところでソラヲは病死。しばらくして、ソ...... more
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医...... more
空中ブランコ 『イン・ザ・プール』の続編、5編の短篇連作集。 伊良部先生は相変わらず注射フェチで、先生自身も参加型、積極治療(笑) よく診察室から飛び出して行く。 「原因が分かれば話は簡単だ、その原因を取り除けばいいわけだから。」と、これを子どものように楽しく治療・・・笑 前回もそうだったような気がするけど、伊良部先生と患者となる人たちも同い年か近い年齢。伊良部先生といる間に、自分の視野を広くさせてくれる。 気が滅入っていても、楽しい人と一緒にいたり、話したりするだけで 元気...... more
空中ブランコ 奥田英朗 久しぶりに、ただ楽しむだけの読書ができました。 社会常識の欠如した天真爛漫な精神科医伊良部と様々な真剣な外来患者のお笑いストーリーです。 無垢で巨漢の伊良部が空中ブランコをやるイメージはなかなか秀逸でした。... more
空中ブランコ文藝春秋このアイテムの詳細を見る 今回は、奥田英朗『空中ブランコ』を紹介します。本書は、患者よりも変で無邪気な精神科医伊良部一郎と変な症状で悩める患者との話である。患者よりも変わっている伊良部の言動や行動が笑える。患者も半分はあきれ返っている。それでも、そういう伊良部に癒される形で、症状が治っていく。『イン・ザ・プール』の続編と言える。 5つの短編の概略 空中ブランコ:突如空中ブランコが出来なくなる話 ハリネズミ:尖端恐怖症やくざの話 義父のヅラ:義父を見ると、ヅラをとりたくなる医学部...... more
ちょっと前に話題になっていた小説ですが、 2004年直木賞受賞「空中ブランコ」 (奥田英朗 文藝春秋社) 今頃読みました。 なぜ読まなかったかというと、この装丁が好きじゃなかったから。 いかにもキワモノっぽいと思いませんか?? (サーカステントの中の絵なんだけど) そして、今思うとバカみたいなんだけど、ナゼか、 この本の著者を俳優の奥田瑛二と勘違いしていた。 なんでこの人が小説なんか書いてるわけ?? 変な精神科医って何よ??と 勝手に勘違いして 読む気をなくしていたのだった・・・。 (別に奥田瑛二...... more
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。直木賞受賞、人気シリーズ第2弾。 再読。 作者はいい設定、いいキ...... more
奥田英朗著 「空中ブランコ」を読む。 このフレーズにシビれた。 心がいっきに軽くなった。言葉の力を思い知った。どうしてもっと早く、対話をしなかったのだろう。小学生にまで遡って、友だちを作り直したい気分だ。 [巷の評判] Read IT!では, 「はっきりいって医者とし...... more
最近は自分も読書の時間がなかなか取れないので、何とかやりくりしてひねり出そうと苦戦してます。
本を読み始めると、今度は映画を観る時間が取れないし・・・(苦笑)。
奥田作品は今のところこのシリーズ2作だけしか読んでませんが、面白そうな作品が幾つかありますので、手を出そうと画策中です。