人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『GOSICK』 桜庭一樹

時は第一次大戦後、所はヨーロッパにある架空の小国。
主人公は貴族の子弟のみが通う名門学園にやって来た、日本人留学生の久城一弥。彼はふとしたことから、同級生のヴィクトリカと知り合う。
ところが彼女、授業はサボり続け、いつも図書館の上にある秘密の部屋でパイプ片手に読書三昧。陶人形のような美貌を持ちながら、老婆のような声で喋るという不思議な娘。
ところが一度その頭脳が活動を始めれば、どんな難事件も解決してしまうのだった・・・!

『GOSICK』 桜庭一樹_e0033570_20311169.jpg美少女ホームズを探偵役、ちょいヘタレな少年ワトソンを助手役にしたミステリー物の第一作ということになるのでしょう。
ヴィクトリカはタイプとしては”安楽椅子型探偵”ということになるのかも知れませんが、この物語の中では一弥くんをお供に幽霊船に乗り込み、数々の危機にも直面します。もっとも頭脳労働専門で、肉体労働は一弥くんや他の人に任せっ放しですが。

今回のお話は、まず最初に出てくる事件が「誰が何のために」という部分でわかり辛いのと、やはり真犯人とその目的が何だかピンと来ないというのが難点だなぁと思いましたが、ライトノベルとして出版されてるということは、結局キャラクターの魅力が際立っていればそれで成功なのかな。

実際、謎めいた美少女ヴィクトリカに萌えられさえすれば、この作品はとてつもなく面白いものに感じられるでしょうね。また、一弥くんを憎からず思っているらしいもう一人の美少女アブリルの登場も、今後の展開に期待を持たせてくれます。
ツンデレなヴィクトリカと、案外積極的なのでは?と思わせるアブリル、両手に花の一弥くんの鈍感ぶりも良い感じ。
ただ個人的には一弥くんの女の子に対する情け無さと、未成年でありながらパイプをプカリプカリというヴィクトリカのキャラクター造型に、決定的な嫌悪感を抱いてしまうのです。
今後このシリーズを追いかけるかどうか、悩むなぁ。。。
Tracked from タジタジ☆マハル at 2008-12-10 17:39
タイトル : 「GOSICK〜ゴシック〜」桜庭一樹
聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、緑に覆われたその部屋で、妖精のような少女―ヴィクトリカは待っている。自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を―。その少女は語るのだ。パイプをくゆらせながら。「混沌の欠片を再構成しよう」そして、たちどころにその...... more
Tracked from ひなたでゆるり at 2009-01-14 09:16
タイトル : 『GOSICK-ゴシック』桜庭一樹
GOSICK―ゴシック 桜庭一樹/富士見ミステリー文庫 豪華客船で怪現象? 世界の混沌を描くゴシック・ホラー。 西欧の小国・ソヴュール王国の聖マルグリッド学園に留学してきた九條一弥は、図書館の屋上で謎の少女・ヴィクトリカと出会う。パイプをくわえ、あらゆる書物を読みあさる彼女は世界の混沌を再構築することができた。オススメして頂いた本。書店へ行き確認してそのイラストにまず可愛い〜と惚れ惚れ。ライトノベルといったらまずはイラスト重視ですからねぇ。現在4巻まで出ていますがとりあえず1巻だけを購入。これ...... more
Tracked from こみち at 2017-10-08 07:02
タイトル : 桜庭一樹 『GOSICK』
            JUGEMテーマ:読書感想文         GOSICK シリーズ        学園内に幽閉?さえている貴族の少女。   ...... more
by odin2099 | 2008-12-08 20:31 | | Trackback(3) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur