『GOSICK』 桜庭一樹
2008年 12月 08日
主人公は貴族の子弟のみが通う名門学園にやって来た、日本人留学生の久城一弥。彼はふとしたことから、同級生のヴィクトリカと知り合う。
ところが彼女、授業はサボり続け、いつも図書館の上にある秘密の部屋でパイプ片手に読書三昧。陶人形のような美貌を持ちながら、老婆のような声で喋るという不思議な娘。
ところが一度その頭脳が活動を始めれば、どんな難事件も解決してしまうのだった・・・!

ヴィクトリカはタイプとしては”安楽椅子型探偵”ということになるのかも知れませんが、この物語の中では一弥くんをお供に幽霊船に乗り込み、数々の危機にも直面します。もっとも頭脳労働専門で、肉体労働は一弥くんや他の人に任せっ放しですが。
今回のお話は、まず最初に出てくる事件が「誰が何のために」という部分でわかり辛いのと、やはり真犯人とその目的が何だかピンと来ないというのが難点だなぁと思いましたが、ライトノベルとして出版されてるということは、結局キャラクターの魅力が際立っていればそれで成功なのかな。
実際、謎めいた美少女ヴィクトリカに萌えられさえすれば、この作品はとてつもなく面白いものに感じられるでしょうね。また、一弥くんを憎からず思っているらしいもう一人の美少女アブリルの登場も、今後の展開に期待を持たせてくれます。
ツンデレなヴィクトリカと、案外積極的なのでは?と思わせるアブリル、両手に花の一弥くんの鈍感ぶりも良い感じ。
ただ個人的には一弥くんの女の子に対する情け無さと、未成年でありながらパイプをプカリプカリというヴィクトリカのキャラクター造型に、決定的な嫌悪感を抱いてしまうのです。
今後このシリーズを追いかけるかどうか、悩むなぁ。。。

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